相次ぐスポーツ界のパワハラ事件 今こそ「Me Too」の声を
2018年06月16日 10:00
スポーツ
それから半世紀がたち、世の中の価値観は大きく変わった。典型的だったのは11年に女子サッカーのW杯を制したなでしこジャパンだ。選手たちが佐々木則夫監督のことを気軽に「ノリさん」と呼ぶ姿は多くの人を驚かせ、日本のスポーツ界が新しい時代に入ったことを実感させた。
だが、次々と表面化するパワハラ事件は、絶対的な指導者と服従する選手たちという厳然たる主従関係が今でも存在していることを改めて教えてくれた。海外に比べ、日本では指導者の評価が低いのは事実だ。メダルを獲っても評価されるのは選手だけ。「なんで俺は表彰されないんだ」とぼやく指導者たちの声を、これまで何度も聞いてきた。企業でも学校でもスポーツはあくまでも部活動の一環であり、部の運営や選手指導はほとんどの場合、監督やコーチに一任されている。会社や学校側の関与が薄いため、必然的に部のトップである監督に権限も資金も集中し、おのれの立場を勘違いした一部の指導者たちが悪質なパワハラを繰り返す。それが東京五輪を2年後に控えた今の日本の現状なのだとしたらあまりにも情けない。
スポーツの指導に携わる者は改めて襟を正し、「アスリートファースト」の原点に立ち返るべきだ。そしてパワハラに悩む選手たちは、今こそ勇気を出して「Me Too」の声を上げて欲しい。その声は必ず日本のスポーツ界を変える原動力になるはずだ。(編集委員)
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