バスケ代表 “悪夢”W杯5戦全敗 渡辺34得点奮闘虚し 18歳天才シューター招集プラン浮上

2019年09月10日 05:30

バスケット

バスケ代表 “悪夢”W杯5戦全敗 渡辺34得点奮闘虚し 18歳天才シューター招集プラン浮上
<日本・モンテネグロ>第1クオーター、シュートを決める渡辺 Photo By 共同
 【バスケW杯 順位決定リーグ   日本65―80モンテネグロ ( 2019年9月9日    東莞 )】 順位決定リーグO組で世界ランク48位の日本は、同28位のモンテネグロに65―80で屈し、5戦全敗で大舞台を終えた。“日本版ドリームチーム”として期待されながら5度目のW杯(10年までは世界選手権)で初めて1勝もできず、32カ国中31位。3点シュートの試投数、成功率ともに深刻で、20年東京五輪に向けて18歳の若きシューター、富永啓生を代表候補に加えるプランが判明した。
 “日本版ドリームチーム”に待っていたのは悪夢だった。5度目のW杯で初めての全敗。W杯での日本人1試合最多となる34得点と奮闘した渡辺だが、「自分の100%を出そうと思った。ただ、やっぱりチームを勝たせたかった」と険しい表情を浮かべる。順位決定リーグの2試合は八村も欠き、苦しい戦いを強いられた。

 深刻なのは3点シュートだ。世界の舞台ではフリーの状態で打つことが難しいとはいえ、日本は5試合で94本打って、決まったのは27本。成功率はわずか28・7%で、この日は3点シュートでの得点がなかった。一方、日本と対戦した5カ国の3点シュートを合計すると、153本の試投で60本決めた。成功率は日本をはるかに上回る39・2%だ。

 強力シューターが不在の中、大きな期待を集める18歳がいる。今春、桜丘高を卒業して米テキサス州のレンジャー短大に進学した左利きの富永だ。少しでもチャンスがあれば、長距離ショットを狙うスタイル。昨年のウインターカップでは6試合で239得点を挙げ、断トツの得点王に輝いた。1試合68得点という伝説を持ち、1メートル85の身長もまだ伸びているという。

 「あのシュートは魅力」とする日本協会の東野技術委員長は短大の試合を視察する方針で、来春の代表候補合宿に招集するプランも明かした。フィジカルや守備の向上は必要だが、短期間で飛躍すれば、五輪代表の可能性はある。3点シュートを武器にするステフィン・カリー(ウォリアーズ)に憧れる18歳。“和製カリー”が日本の弱点を埋めた時、真のドリームチームが完成する。

 ◆富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日生まれ、愛知県出身の18歳。父は2メートル11の長身で98年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。両親の影響で幼少期からバスケットボールが身近にあり、岩成台中から桜丘高に進学。U―16、U―18アジア選手権に出場した。1メートル85、69キロ。左利き。

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