徳勝龍 20年ぶり幕尻Vに王手! 正代との1敗対決“無敵”突き落としで制す「怖いものはない」
2020年01月26日 05:30
相撲
立ち合いで得意の左を差し、右上手をつかんだ。上手投げで呼び込んでしまった土俵際、バランスを崩して前かがみの体勢から左の突きで正代をはわせた。支度部屋では報道陣に取り囲まれ、硬い表情ながら「あんなブサイクな相撲しか取れないけど怖いものはないので。思い切りいけばいい」と喜びを語った。
出身の奈良県は相撲発祥の地とされる。日本書紀によれば、垂仁天皇の時代に大和の当麻(奈良県葛城市)に住む当麻蹴速(たいまのけはや)と出雲(島根)の野見宿禰(のみのすくね)が対戦した。これが相撲の始まりで初の天覧相撲とされる。この日、天皇、皇后両陛下が国技館を訪問された。徳勝龍の取組は幕内前半に組まれており、ライブ観戦とはならなかったが、何かの縁を感じさせる。1922年の鶴ケ浜以来98年ぶりの奈良県出身2人目の優勝も実現しそうな雰囲気だ。
昭和61年生まれ、33歳のベテランで同学年は元横綱・稀勢の里、大関・豪栄道らの「花のロクイチ組」。三役を25場所務めた栃煌山と明徳義塾(高知)の同級生だ。徳勝龍は強豪の近大に進学しても母・青木えみ子さん(56)らに「プロには行かない」と話していた。しかし高卒の豪栄道や栃煌山の活躍に刺激され自身が西日本学生選手権など計5つのタイトルを獲得したことも自信となり角界入りした。
09年初場所の初土俵から12年目で幕内在位25場所、三賞受賞経験はない。十両を24場所務め、スポットライトを浴びる機会はほとんどなかった。転機の一つは10場所ぶりに幕内復帰した昨年夏場所。4勝11敗と大きく負け越し、すぐに十両へ逆戻り。「どの地位でも常に向上心を持たないといけない」と稽古に励んだ。
16年秋場所の豪栄道、17年初、春場所の稀勢の里に続いて同学年3人目の優勝に王手をかけた。「自分は一番下の番付で、下には誰もいない。思い切りいくだけ」。千秋楽の相手は出場している力士で最高位の大関・貴景勝。狙うは00年春場所の貴闘力以来の2度目の幕尻V。歴史的な番狂わせは26日完結する。
▼鎌苅忠茂氏(元関脇・貴闘力)自分が優勝したときは幕尻でも横綱と対戦した。横綱と当ててもらったことを名誉に感じた。徳勝龍は大関に勝つのは厳しいかもしれないがこの位置で対戦するのは名誉だと思って一生懸命やればいい。一ファンとしてとても楽しみにしている。(00年春場所で史上初の幕尻V)
◆徳勝龍 誠(とくしょうりゅう・まこと)本名・青木誠。木瀬部屋所属。1986年(昭61)8月22日生まれ、奈良市出身の33歳。3歳から柔道、小2から野球も始め、ともに小6まで。小4で未経験のまま、わんぱく相撲全国大会に出場。これをきっかけに相撲道場に通い、明徳義塾(高知)から近大。09年初場所初土俵で、新十両は11年九州場所、新入幕は13年名古屋場所。SNS上では「顔がかわいい」と女性のファンの人気も高い。化粧まわしの一つは奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」が四股を踏む姿をあしらったもの。得意は左四つ、突き押し。1メートル81、188キロ。家族は千恵夫人。
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