“黒人”バーナー首位発進 人種差別撤廃へメッセージも発信「色に関係なく、お互いを必要としている」

2020年06月13日 05:30

ゴルフ

“黒人”バーナー首位発進 人種差別撤廃へメッセージも発信「色に関係なく、お互いを必要としている」
14番でティーショットを放つバーナー(AP) Photo By AP
 【米男子ゴルフツアー チャールズシュワブ・チャレンジ 第1日 ( 2020年6月11日    テキサス州コロニアルCC=7209ヤード、パー70 )】 3月中旬から中断していたツアーが91日ぶりに再開した。アフリカ系米国人のハロルド・バーナー(29)が7アンダーの63をマークし、ジャスティン・ローズ(39=英国)と並んで首位発進。世界ランク1位のロリー・マキロイ(31=英国)は68で39位と出遅れた。今大会に松山英樹(28=LEXUS)は出場していない。
 人種差別への抗議活動が世界的に広がる中、約3カ月ぶりに再開した世界最高峰の米男子ツアー。今大会出場者でただ一人のアフリカ系米国人であるバーナーが、リオ五輪金メダリストと並びリーダーボードのトップに躍り出た。「仮にスコアが80でも良かった。ゴルフが大好き。失われて初めて気づく」。全18ホールでパーオンし、ボギーなしの7バーディーという会心のラウンドよりも、ツアー再開への喜びを口にした。

 ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官の膝で首を地面に8分46秒押し付けられて死亡した事件を受け、この日は午前8時46分に1分間の黙とうがささげられた。ゴルフ界では少数派の黒人選手。大会前にはジェイ・モナハン・コミッショナーと対談。ツアーとして率先して人種差別撤廃に取り組むことを説明されたという。

 オハイオ州出身の29歳。昼食を買うお金もないことがあった高校時代には、黒人と白人の双方に助けられた過去を明かした。その後、下部ツアーから昇格した初めてのアフリカ系米国人となった。自身のツイッターでは「僕たちは色に関係なく、変化を起こすためにお互いを必要としている。みんな大好き」と書き込むなど、積極的に発信。「“どちらか一方が正しい”という考え方から抜け出さないといけない」と訴える。

 欧州ツアーでは1勝を挙げているが、これまでの米ツアー最高成績は3位。「自分に発信力があるのも、ゴルフがうまいから。そこに集中しないと」。米国に、そして世界にゴルフが戻ってきた注目の舞台で、ツアー初優勝を目指す。

 ◆ハロルド・バーナー 1990年8月15日生まれ、オハイオ州アクロン出身の29歳。2歳時に父にクラブをプレゼントされ、競技を始める。イーストカロライナ大に進学し、12年にプロ転向。15年に下部ツアーのウェブドットコムツアーで賞金ランク25位に入り、ツアー昇格。翌年にはシード権を獲得し、16年に欧州ツアーでオーストラリアPGA選手権で優勝。身長1メートル75ながら昨季の平均飛距離302ヤードはツアー38位。昨年5月の全米プロ選手権では最終日を2位で迎えるも、11オーバーの81を叩き36位に終わる。16年にはダンロップ・フェニックス出場のため来日している。

おすすめテーマ

2020年06月13日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム