荒磯親方が34歳誕生日「いつも通りという感じ」、大学院での学生生活は「ついていくのが必死」

2020年07月03日 17:02

相撲

荒磯親方が34歳誕生日「いつも通りという感じ」、大学院での学生生活は「ついていくのが必死」
荒磯親方 Photo By スポニチ
 大相撲の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が3日、34歳となり、電話での代表取材に応じた。昨年までの誕生日は名古屋場所に備えて愛知入りして迎えたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、都内で迎えた。4カ月ぶりの本場所となる7月場所(19日初日、両国国技館)に向かう力士の心構えや、4月に入学した早大大学院での学生生活などについて語った。一問一答は以下の通り。
 ――34歳になった心境。
 「うれしいか、うれしくないか、よく分からないですね(笑い)。相撲界に入って東京で誕生日を迎えたのは初めて。いつもは名古屋で迎えているので不思議な感じです。(名古屋以外での誕生日は)中学生ぶりですね。相撲界で生きている人間としては、(自分の誕生日を)東京で迎えることが二度とないようにと思っています」

 ――自粛生活の中での誕生日をどのような気持ちで迎えたか。
 「数人から連絡は来ましたが、特にお祝いしてもらうとかはないですね。こういう状況ですから。いつも通りという感じです」

 ――今は稽古場に下り、まわしを締め指導しているか。
 「相撲は取っていませんが、まわしを締めて土俵に下りて、若い衆に(ぶつかり稽古などで)軽く胸を出したりしています」

 ――春場所で左大腿二頭筋を痛めた高安関の現状は。
 「若手と稽古をしていますが、腰の決め方など、いろいろ工夫しながらやっています。見ている感じでは、少しずつですが良くなっている感じです。(7月場所の出場は)問題ないと思います。あと2、3週間ぐらいで、どのように持っていくか。出稽古に関してもどうなるか分からない状況ですが、それなりに調整してくれると思います。高安も来週ぐらいから相撲を取ると思うので、(自分は稽古相手として)しっかり体はつくってきました」

 ――夏場所が中止になった影響は、力士にとってどのように作用すると思うか。
 「私も1場所中止を経験しています(関脇だった2011年春場所)。これだけ間が開くと、体調管理など今まで積み重ねてきたものがいったん切れたりする力士もいると思います。私もそういうところで調整に失敗してしまったというところがありました。10勝、10勝で来たところで、ぎりぎり勝ち越し。初日を迎えても、なんとなく調整がうまくいかなかったかなと感じました。(7月場所を迎える力士も)それなりに難しい調整になってくると思いますが、白鵬も鶴竜もそうですが、ベテラン力士は2011年の中止を経験しているので、そういう経験を生かせるのかなと思います。抜くところは抜いて、やるところはやるというように」

――出稽古が制限され、相撲を取る稽古も各部屋とも一時自粛していた。力士に与える影響は。
 「稽古ができなければ、やれないなりに脳みそを使って考える。それがいい方向に向かう力士もいると思います。勝つためにどうしようかと余計に考えたり、立ち合いの形をどうしようか、腰の形をどうしようかと考えたり。今までできなかったことができる可能性もあるので、駄目と思われがちですが、ピンチをチャンスに生かせる力士もいると思います。そういうところで、いいきっかりになるチャンスかもしれません。頭がなくては相撲は勝てません。そういうところをみんなが生かしてもらえればと思いますね」

 ――早大大学院での研究は、現在どのような形で、どのようなテーマに取り組んでいるか。
 「現在は大学院には行けないので、週4日、1日3時間ぐらい、リモートで授業を受けているという感じです。エクセルを使った授業もあります。自分が何をしたいか、力士育成もそうですし、部屋としてどうしていくかも研究の題材になっています。それに対して研究をして、リポートにまとめて、パソコンで発表するということもやっています。(指導に当たる)平田教授が考えた『トリプルミッションモデル』という『勝利、資金、普及』の3つがうまく回ったところがうまくいくというスポーツ界のモデルを、力士や部屋に当てはめてみたりもしています」

 ――学生として、勉強ができるという喜びはあるか。
 「ついていくのが必死で、喜びは感じていないかもしれません。遅れちゃいけないし、パソコンを使ったのも初めてだし。それが、この3カ月でした。喜びを感じるのはこれからかもしれません」

 ――相撲を待ち望むファンへのメッセージは。
 「このような状況が早く収まることが一番。(新型コロナウイルスに)感染したり、亡くなられた方もいらして、相撲界も残念なことがありました。いろいろなことを生かしながら、また明るい相撲界になることを祈ってますし、普及につながるように親方として相撲協会のために一生懸命動いて、みなさんが安心して相撲が見られるように、いい相撲を提供できるように頑張っていきたいと思っています。ファンあっての大相撲。私も大歓声をもらって力になっていましたし、ああいう(大観衆の)ところでやれるのが幸せでした。そういうのが早く戻ってほしいですね」

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