大商大日本拳法部 いざ王座奪回へ 6日に全日本学生選手権開幕
2020年12月06日 05:30
スポーツ一般
「当初、この大会も開催されないのではないかと思っていたのですが、開催が決まってモチベーションは上がります。大学生活の締めくくりができる。もちろん、目指すべきところは優勝です」
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るった2020年。他競技と同様、日本拳法の主要大会も春先から軒並み中止の憂き目に遭った。部活動が再開されたのは9月を過ぎてから。限られた時間で鍛錬を重ねてきた。一度は心が砕けそうになったところに飛び込んできた、大会開催の知らせ。試合ができる喜び、感謝を示す舞台で持てる力をすべて注ぎ込むつもりだ。
日本拳法は、拳技および蹴技のほかに組技(投げ技、関節技)を加えたスポーツ。防具を使用することで被撃傷害をなくす。防具は面、胴、胴当、股当を用い、手にはグローブをつけて試合を行う。その最大の魅力は「安全にフルコンタクトで戦えること」(大西主将)だ。大西は小学校3年生の時に知り合った前田稔輝に憧れ、高校大学と同じ道を歩んできた。先輩の活躍に刺激を受け「大商大のチーム大西として、この大会で爪痕を残したい」と燃えている。
同部は1951年に創部。同選手権で2度の優勝を誇る西の名門だ。ことしは下級生に有望な選手がそろった。その筆頭候補が小土井壱貴(2年=東大阪大柏原)だろう。幼少期から空手とキックボクシングで鍛え、高校から日本拳法の魅力に取りつかれた。昨年、社会人選手も出場する大会で16強入りした実績もある。小土井は「新チームになって初めての大会。前に前に出て食らいつく。重圧をはじき飛ばしたい」と言葉に力を込めた。
身体を鍛えるだけでなく、礼儀礼節を重んじるのが日本拳法というスポーツ。大西主将は「精神的にも強くなったと感じます」と話せば、小土井も「心を落ち着かせることが身についたと思います」と自己分析した。最後の最後に用意された、晴れの舞台。1回戦の相手は慶大に決まった。支えてくれた全ての人に――。両の拳にありったけの力を込めて戦う。
《19年にフェザー級で新人王に輝いた前田稔輝がエール》日本ボクシング界のホープが後輩へ力強いメッセージを寄せた。19年にフェザー級で新人王に輝いた前田稔輝(24=グリーンツダ)は同部出身。デビュー戦から6連勝中の左の強打者は色紙に『好きこそものの上手なれ』としたためた。
「4年間は長いようで一瞬。一日一日、悔いのないよう練習に取り組んでほしい。在学中は苦しい思いも苦労も経験しました。でも、同期や先輩、周囲の方々の尽力もあり、4年間頑張ることができました。本当に良かったなと思います」
大商大堺から15年に大商大へ進学。期待に胸を膨らませた入学直後に“悪夢”が待っていた。不祥事で同部に無期限の活動停止処分が下されたのだ。ただ、どんな試練に直面しても諦めないのが前田の流儀。「どんな環境に置かれても結果を残せるということを証明したかった」。腐ることなく個人練習に励み、社会人大会に出場して技を磨き続けた。
部の活動停止処分が明け、2年生だった16年に日本一に輝き、その名を全国へとどろかせた。6歳から始めた日本拳法。段位は師範レベルの四段だ。「大学で日本拳法のタイトルを獲得してからボクシング界に転向するという目標がありました」。入学前から描いた明確なビジョンを見事に実現させた。
大商大で培った4年間こそ強さの源だ。11月3日に予定されたフェザー級6回戦・大久保海都戦は、京口紘人の新型コロナウイルス感染により流れたが、決戦の日は12月27日に決まった。デビュー戦から7連勝で波乱の20年を締めくくりたい。日本一、その先につながる世界の頂点へ、前田は走り続ける。
おすすめテーマ
2020年12月06日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
渡辺一平 男子200m平V 「東京で結果を出すことを見据えて強化を」
-
入江陵介 13度目V 200m背泳ぎは来年で一区切り「厳しい目を持って応援していきたい」
-
おのののかと結婚 塩浦慎理が50メートル自由形で優勝「安心した」
-
伝統の早明戦は明大に軍配 2季連続18度目対抗戦制覇 関東大学ラグビー
-
川内優輝は2時間13分59秒で19位「申し訳ない結果に終わってしまった」
-
チャン・キム、逆転で今年最終戦制す 金谷拓実5位、石川遼は6位
-
青学大出身の吉田祐也が初優勝 日本歴代9位タイ2時間7分5秒 福岡国際マラソン
-
萩野、男子200個メ制し会心2冠!満面の笑み「子供に戻った感じ。純粋に水泳を楽しめている」
-
萩野、東京五輪で「もっと大きい泳ぎともっと大きい人間になった自分を見せたい」
-
女子100自由形 酒井と大本が同着V 大本「同着は少しびっくりした」
-
長谷川、女子200バタフライ連覇「前半突っ込んで、目標とするレースはできた」
-
金谷拓実 “我慢”貫き2差3位に浮上 新人初2戦連続優勝へ「他人のスコアより、いいプレーを」
-
石川遼 イーブンでV圏4差 史上6人目大会連覇へ攻めのゴルフ宣言「チャレンジする」
-
岩田寛「自分でも驚き」12年ぶり最終日単独首位 5年ぶり3勝目なるか
-
42歳の谷原秀人 ベストスコア67で3位浮上 4年ぶり勝利へどん欲「いくつになっても勝ちたい」
-
小斉平優和 17番で痛恨ダブルボギー 首位陥落2位も「寝れば忘れる」
-
小平智 通算2アンダーで暫定48位 米男子マヤコバC第2日
-
畑岡奈紗 3差10位に浮上 4番から3連続ボギーも挽回「決勝はアイアンでしっかりピンを狙う」
-
上原彩子 70位で予選通過 最終18番で執念のバーディー
-
明大、対抗戦連覇へ紫紺結束 6日早明戦、箸本主将「相手の方が強いと思ってチャレンジ」
-
東海大、出場辞退もリーグ戦3連覇 流通経大は得失点差で優勝届かず
-
全国高校ラグビー組み合わせ決定 連覇を狙う桐蔭学園、27日1回戦で茗渓学園と対戦
-
常翔学園 100回大会100勝へ闘志 1回戦は日川と激突 野上監督「一戦一戦やからね」
-
松島、フル出場で不発も前向き「まだまだこれから成長できると今日の試合でも感じた」
-
新谷仁美 打倒アフリカ勢へ“マラソン走らない宣言”撤回
-
女子5000メートル代表・田中、マルチに挑戦「他の種目でも権利を得られれば」
-
男子1万メートル代表・相沢、まずは元日に集中「5連覇を目指したい」
-
朝比奈沙羅、新所属先「ビッグツリースポーツクラブ」 スポンサー12社の支援で活動継続
-
錦織、五輪でダブルス出場慎重「灼熱の夏に3種目やるのは不可能」
-
張本、腰痛強行出場も敗戦「出せるプレーの中での結果。全然、後悔はしていない」
-
陵侑、試行錯誤の23位通過「迷いながらというか、探りながら」 日本勢最上位は佐藤幸の4位
-
Vリーグ男子1部サントリー、1選手が新型コロナウイルス陽性 東レ戦中止に
-
東京五輪クレー射撃代表の中山&大山が結婚していた
-
大商大日本拳法部 いざ王座奪回へ 6日に全日本学生選手権開幕