一山、日本新ならず悔し涙V 大会新も1分59秒届かず「ただただ自分の力がなかった」
2021年02月01日 05:30
マラソン
約1週間前に大阪市内を巡るルートから1周2・8キロのフラットな周回コースに変更された異例のレース。会場となった長居公園は、工事現場で使われる仕切りで外部からコースが目隠しされ、大会関係者以外は無観客。「そんなに寂しいなとは思わなかった。走りに集中できた」と記録更新だけを見据えていた。
序盤から川内優輝ら、男子選手のペースメーカーが刻む「1キロ3分18秒」の日本記録ペースについていった。ハーフの通過タイムは1時間9分35秒。20秒差以内の日本記録は射程にあった。だが、25キロすぎから「呼吸がきつくなり始めた」と徐々に遅れ始めた。先行する川内から「行ける!」「頑張れ!」などと鼓舞されたが、再びペースを上げることはできなかった。「タイムだけを思って一周一周走っていけた」とフィニッシュ後には川内に何度も感謝を伝えた。
日本記録更新のためにお膳立てされたレースだったが、一山にとって不運だったのは年末に体調を崩したこと。5日間は全く練習ができず流動食などを取っていたという。約1カ月で何とか仕上げ、永山忠幸監督は「想定外だったが、よくここまで耐え抜いたと思う」と教え子を称えた。
五輪前に日本記録更新という目標は達成できなかったが、五輪代表を決めた昨年3月の名古屋ウィメンズ前のような海外高地合宿や永山監督が課す強度の高い「鬼メニュー」も未消化と、今夏に向けた伸びしろは十分ある。一山は「日本新のペースは体感できた。最高の準備をして五輪のスタートラインに立ちたい」と気持ちを切り替えた。
≪そわそわ→ホッ→複雑≫▼野口みずきさん 日本記録が出るかもとそわそわしていた。今回は更新はされずにちょっとホッとしたり、複雑な思いだった。2時間20分を切る選手が最近はいないので寂しさも感じる。一山、前田は年齢的にもまだこれから。上を目指して頑張ってほしい。
▽大会新記録 一山の2時間21分11秒は大会記録。ただし、今回は男女混合レース扱いとなり、野口みずきが03年に出した従来の2時間21分18秒も大会記録として残る。
◆一山 麻緒(いちやま・まお)1997年(平9)5月29日生まれ、鹿児島県出水市出身の23歳。小学校から陸上を始め、16年に出水中央高からワコールに入社。初マラソンとなった19年東京で日本人トップの7位入賞。マラソンは21年大阪国際女子で5度目。自己ベストは2時間20分29秒。1メートル57、43キロ。
おすすめテーマ
2021年02月01日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
一山麻緒 再び日本記録に挑戦へ「もう一回チャレンジしたい」
-
有森裕子さん分析 日本新出なかった理由…レース形態“全て初体験”影響か
-
NFLでドラフト全体トップ指名選手同士のトレード ライオンズとラムズの間で成立
-
時津風部屋、元土佐豊・間垣親方が継承へ 度重なる問題行動…時津風親方は退職意向
-
一山、日本新ならず悔し涙V 大会新も1分59秒届かず「ただただ自分の力がなかった」
-
前田、2位も意地の自己新「最後にペースを上げられなかった悔しさもある」
-
川内、異例ずくめも“らしさ全開”ペースメーカー 途中離脱せず応援しながら完走
-
瀬古リーダー「悔しい結果」 日本記録届かなかった理由、海外高地合宿中止も一因と指摘
-
スポクラ“パリ五輪の星”17歳・森秋彩、初頂点!「悔しさ」原動力に3年後への第一歩
-
女子五輪代表・野中、V逃すも五輪へ手応え 準決勝敗退の野口「自分見つめ直す」
-
男子・藤井、3年ぶりV! 1月にプロ転向、気合十分に全4課題完登
-
男子五輪代表・楢崎智、全クリアも「残念」2位、原田は6位に苦笑い
-
幕下以下力士1人がコロナ感染 30日に帰省先で検査、症状はなし
-
大坂 東京五輪へ強い思い「私にとって特別。2週間隔離されても出たい」
-
ウィザーズ八村「状態を保つのが大変だった」感染防止規定対象から外れ初の取材対応
-
松山「もやもやした感じ」伸ばせず74、首位と10打差45位後退
-
金谷、69で9位!欧州ツアー初トップ10入り
-
クレルモン松島 右太腿裏痛め途中交代「相手のキックに反応したときに違和感」
-
暁斗「イメージ通り」2戦連続2位!終盤スプリント勝負制した
-
陵侑7位 2回目追い風で飛距離伸ばせず「飛型点がずっと悪い。表彰台はまだかな」
-
沙羅 今季最高2位!開幕戦に続く今季2度目の表彰台
-
平昌五輪代表の中京大・吉永が3冠達成!国体ショートトラック500メートル成年男子
-
平昌五輪代表・松本、2大会連続銅メダル!ベテラン27歳「凄くうれしい」 XゲームHP女子
-
パラ・パワーリフティング男子72キロ級 宇城が日本新V 2階級で快挙
-
イタリア五輪委員会会長、代表選手へのワクチン優先接種「求めるつもりない」