【空手・解任香川氏“独白”全文】「故意ではない」植草に“恨み節”も

2021年04月09日 21:02

空手

【空手・解任香川氏“独白”全文】「故意ではない」植草に“恨み節”も
<空手日本連盟理事会>五輪会館を後にする香川政夫氏(左)=撮影・西尾 大助 Photo By スポニチ
 全日本空手道連盟(全空連)の強化委員長を解任された香川政夫氏(65)が9日、解任が決議された臨時理事会後に東京都内で取材に応じ、「今回、こういう結果になったのは残念ですし、私の不徳のいたすところ」などと陳謝した。香川氏は教え子で東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)に対する竹刀を使った稽古で目を負傷させたことが認定され、同日に解任が決議されるとともに、同連盟の理事の辞任も承認された。
 香川氏は負傷させたことを認める一方、「報道で言われている竹刀で目を突いたとか、故意でやったとか、そういうことは決してない」と否定。「十数年、彼女と一緒に稽古して、汗をかいて、近年は五輪を目指して稽古してきた師弟関係。彼女には五輪に向けて、是非金メダルを獲って、こういうことを乗り越えて、心身共に立派な選手になってもらいたい」と弟子への思いも語った。

 香川氏の12分間の“独白”全文は以下の通り。
 「本日は理事会で、私の選手強化委員長解任ということを受けまして、その報告をしたいと思う。この場を借りて(説明するが)、報道でいろいろ言われている竹刀で目を突いたとか、故意でやったとか、そういうことは決してない。十数年、彼女と一緒に稽古して、汗をかいて、近年五輪を目指して稽古してきた師弟関係です。今回こういう結果になったのは残念ですし、私の不徳のいたすところです。彼女には五輪に向けて、是非金メダルを獲って、こういうことを乗り越えて、心身共に立派な選手になってもらいたい。また残されている私の教え子もいる。ナショナルチームの選手もいる。どうか皆さん、これまで同様、ご支援、応援を是非していただいて、選手のために、是非是非力をお借りいただければと思う。私からはこれが今日、最後に皆さんの前でいう言葉だと思う。強化委員長、本日までコーチから監督、強化委員長と約20年、心血を注いで本日まできた。今回、植草選手とこういうことになったが、私自身、思い残すことはありません。そういう意味でも本当に笹川会長をはじめ、全空連の皆さんには本当にお世話になった。コーチ、監督、また強化選手にも厳しいことにも、選手、コーチ、監督には言ってきたが、本当によく付いてきてくれた。本当に感謝している。林男子監督、中野女子監督、佐久本形監督をはじめ、多くのスタッフ、本当に素晴らしいスタッフに囲まれ、本日までやってきたことに感謝している。どうか私も陰ながら、微力ながら、まだまだ残された選手もいますので、植草選手は私の手元から離れたが、それも彼女が大人になる第一歩だと思っている。そういう意味で、皆様にはこれからも引き続き、ご支援を賜れば幸いです」

――今回の原因をどう考えているか。

 「信頼関係が崩れてきたのは、一番の今回のこういう形になった原因かなと思う。去年の秋くらいから、YouTubeのことで、私が注意して叱責した。やはり五輪選手としての、態度とか、YouTubeに対しての、きちっとしたものなら私も何も言わなかったが、そういう姿、格好が露出する部分が非常に多いということで、考え直さなきゃいかんと、彼女には注意してきました。また大学院のことも、その後に話が出た。それも今じゃないだろうと、私は勉強することも大学院に行くことも賛成だよと。でもやはり、今は稽古に稽古を重ねて、死に物狂いでやらないと、金メダルを獲れないだろうと。彼女も泣きながら訴えたりしました。その中で、練習態度という部分は私から見て、どうもちょっと心ここにあらずで、何を言っても上の空で、練習に遅れてくる、来ても更衣室から出てきて、20分くらい遅れて出てきて、なんで遅れてきたんだと聞いたら、パンを食べていたとかですね、それは練習前に食べるもんだろうとか。そういう練習の中でも学生には見せられない態度もあったりして、そういうことから直さないと、大学院で勉強する価値はないだろうと。そこはそういうことを直していって、大学院も視野に入れてやっていこうということで、年が明けて竹刀の練習ということになったと思う。そういう風に重なった部分が、私も言いつけた部分もあったが、私も細心の注意を払って寄り添ってあげられなかったことが悔やんでしかたない。信頼関係は、空手は格闘技ですから、常に毎日が打撲する。受けきれなかったら目に当たる、鼻に当たる、歯に当たったり、骨折する、脱臼する。常にケガは付き物です。道場生同士もそうだが、師弟関係も信頼関係がなければ成り立たない。われわれの空手はフルコンタクトではなく寸止めですけど、コントロールしていてもやむを得ないこともあり、心身を鍛えて、それを打ってくる、突いてくる、蹴ってくるを逃がして、瞬時に技をかける。常にケガが付き物。今回、私も対外人対策として、私のアイデアで竹刀を用いて、そして稽古をして、受けという部分は、外人は思いきって付いて蹴ってくる。日本人選手も蹴られてダウンしたり、突かれてダウンすることが多々あった。無謀な選手に対して、植草も試合で脳震とうを起こしたり、ケガをしたりしていた。何年か前は沖縄で目に当たって眼底骨折して、決勝は本人は出たいと言ったが、ドクターストップで欠場したこともあった。その中で、目の負傷はその後問題ないということを言っていたので、今回ブログでは失明の恐れがあると本人の言葉があったので、それは彼女の体を案ずれば、ドクターの判断を仰いで練習に励んで、試合に向けていただきたい。親心でそのように思う」

――今後の大学での指導は。
 「大学の調査委員会を持って、決まると思う。それはもちろん(今後も指導したい)。染谷もいる。森口、佐合もいる。そういう部分で彼らの練習も見てあげて、いい形で送り出してあげたいのが本音です」

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