イップスに悩む堀川が26位から首位に急浮上 課題のパット克服でツアー2勝目を目指す

2021年11月06日 18:36

ゴルフ

イップスに悩む堀川が26位から首位に急浮上 課題のパット克服でツアー2勝目を目指す
この日のベストスコア63で26位から首位に急浮上した堀川未来夢 Photo By スポニチ
 男子ゴルフのマイナビABC選手権(賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円)は6日、兵庫県加東市のABCGC(7217ヤード、パー72)で第3ラウンドを行った。
 首位に5打差の26位からスタートした堀川未来夢(28=Wave Energy)がこの日のベストスコアとなる9バーディー、ノーボギーの63をマークし、通算13アンダーの首位に急浮上した。堀川が首位に立つのは2019年10月のトップ杯東海クラシック2日目以来、2年1カ月ぶり。この東海クラシック以来となる最終日最終組で2019年6月の日本ツアー選手権以来となるツアー2勝目に挑む。

 「久しぶりにいいゴルフができました。一番はパッティングですね。イップス傾向がかなりいい方向にいってるんで。人間らしいパッティングができたような気がします」

 チップインだった1番を除く大量8個のバーディーはもちろん2メートルの嫌な距離を沈めた8番など1パットパーが3度。リズム良くスムーズに動く右手にラウンド中、何度も笑みがこぼれた。

 「何かおかしいな」と堀川がパッティングイップスの兆候を感じたのは2019年12月の日本シリーズ。この年の6月に国内メジャーの日本ツアー選手権で初日から首位を守ってツアー初優勝を飾り、その後、初の海外メジャーとなる全米オープン、全英オープンにも出場。約8500万円を稼いで賞金ランキングも自己最高の6位に入った。ゴルフ人生最高のシーズンを味わっている最中の出来事だった。

 練習グリーンでは普段通りのストロークができるのだが、いざ試合となると、上り1メートルのパットがカップ1個分右に外れてしまう。プロゴルファーには致命的ともいえるイップスの症状だ。

 「テークバックを上げてフォロースルーに入ると、右手がブレーキをかけてくるんです。右手だけが水の中に入っていく感じで」

 イップス発症以降のこの2年は試行錯誤の連続だった。自宅にはパターが10数本。右手の感覚を抑え込むために中尺シャフトの重いパターを試したこともあった。ストロークのリズムを良くするために呼吸法を学び、それでもうまくいかないと、目をつぶってパットしたことも。今現在、試していることにもまだ、確信はなく、依然として手探り状態の中でのプレーは続いているが、スティンプメーターが13を超える国内最高レベルの高速グリーンでこの日平均パット部門全体1位(1・4286)の数字を残したことは大きな自信となった。

 「元々、パットは得意でした。自分で解決するしかないんで、落ち込まずにいい課題ができたと思ってやってます。最終日最終組。(イップスの)症状が出ようが出まいが最後まで回りきるしかないんで。対策も三つくらいは持ってます」

 優勝争いという極度の緊張感の中でこそ、得られることもある。笑顔がトレードマークの堀川が最終日も笑顔で難病克服に挑む。

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