小林陵侑 日本勢金メダル1号!長野の船木以来のV 五輪の魔物は?に「僕が魔物だったかも」
2022年02月07日 05:30
ジャンプ
ミックスゾーンでなじみの記者を見つけた小林陵は「シビれましたか?ハハハ」と逆質問し、肩の力を抜いた。「2本とも集中してイメージ通り動けた。表彰台を争えるいいイメージが固まったので、ノリさん(葛西)戦法で試技は飛ばなかった」と振り返った。五輪の魔物は?の質問にも「僕が魔物だったかも」と高笑いした。
1回目に104・5メートルで首位。「凄くいいジャンプ」と振り返り、中継カメラに敬礼ポーズで応じた。「さすがに緊張しましたね」という2回目も99・5メートルにまとめると金メダルを確信し、右拳を振り下ろして叫んだ。
盛岡中央高までは複合選手として活躍したが、土屋ホームの葛西兼任監督に才能を見いだされてジャンプに専念した。16~17年シーズンはW杯にほぼフル参戦しながら30位以内に一度も入れず、0ポイントに終わった。「あの屈辱は一生忘れません」。17年夏、スロベニア合宿でレジェンド葛西から膝の使い方に関し“金言”を授かると大きく成長。初出場の18年平昌五輪のノーマルヒルで日本勢最高の7位。18~19年シーズンには男子W杯で個人13勝を挙げて初の総合王者へ駆け上がり、今季も7勝を挙げている勢いを北京に持ち込んだ。この日テレビ中継のコメンテーターとして会場を訪れた葛西兼任監督とも喜びを分かち合い、金メダルをかけてあげたいとの約束を果たせる。
4きょうだいをジャンプ選手に育ててくれた両親への感謝も大きい。19年にはW杯の賞金の一部で両親に高級SUV車を贈った。ジャンプを始めた頃、父が長距離運転で長野や北海道に連れて行ってくれたことへの感謝だった。高級車の次は金メダルで恩返しし「両親にも(メダルを)かけたい」と笑った。
くしくも2月6日は72年札幌五輪で笠谷幸生ら「日の丸飛行隊」が、表彰台を独占した記念日。伝説から50年、小林陵が日本ジャンプ史に新たな偉業を刻んだ。7日は混合団体、12日には個人ラージヒルが控える。「いいジャンプができたので、次の試合につなげたい」。25歳の翼は、さらに大きく羽ばたく。(武田 政樹)
▽日の丸飛行隊の表彰台独占 1972年2月6日、宮の森ジャンプ競技場で行われた札幌五輪のスキージャンプ70メートル級(現ノーマルヒル)で、日本勢が金、銀、銅メダルを獲得した。1本目でエースの笠谷幸生が最長不倒の84メートルを飛んでトップに立つと、青地清二が2位、金野昭次が3位、藤沢隆が4位と日本勢が上位に並んだ。スタート位置が下げられた2本目では、金野が2位、青地が3位と順位が入れ替わったが、外国勢の逆転は許さなかった。笠谷は落ち着いて79メートルを飛び、金メダル。日本勢が表彰台を独占し、「日の丸飛行隊」という言葉が生まれた。
◇小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の25歳。
☆サイズ 1メートル74、59キロ。
☆スキー一家 父・宏典さんは元クロスカントリースキー選手。2大会連続五輪代表の兄・潤志郎(雪印メグミルク)、姉・諭果(ゆか、CHINTAI)、弟・龍尚(土屋ホーム)もジャンプ選手。
☆ジャンプ歴 小学3年から本格的にジャンプを始める。盛岡中央高まで複合選手。15年土屋ホームに入社後、ジャンプに専念。W杯は16年1月のザコパネ大会(ポーランド)でデビューし、7位入賞。
☆趣味 車、スニーカー集め、洋服、音楽、YouTube。
おすすめテーマ
2022年02月07日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
日本 新種目ジャンプ混合団体で高梨沙羅がまさかの失格で顔覆い号泣 大ジャンプもスーツ規定違反
-
ショートトラック 女子500メートルの菊池純礼、巻き込まれて転倒 アクシデント続出の準々決勝で敗退
-
羽生結弦、4回転半成功へ「違うアプローチ」滑り出しの方向、踏み切りまでの流れを全日本から変更
-
新種目ジャンプ混合団体 原田雅彦総監督メダル争いは「僅差の戦い」高梨沙羅の「1本目に期待」
-
川村あんり 涙の5位から一夜明け「4年後嬉し涙を流せるように…長いようで短い4年間の始まりの日」
-
【一問一答】悔しい銀メダルの高木美帆「最大のピークを合わせるということでは彼女にかなわなかった」
-
中国選手と接触し失速 8位の高木菜那「さすがに相手がダメ」「アウトが優先というのは…」
-
4位入賞の佐藤綾乃の一問一答 銅まで0秒10差は「脚の長さ」「100%出し切れた結果が4位」
-
女子1500の佐藤綾乃は4位入賞 銅まで0秒10差に「悔いが残らなかったと言えば嘘だが、楽しかった」
-
銀メダルにぼう然…高木美帆「悔しい、その思いだけ。自分の実力がブストより劣っていた」
-
高木菜那「妹に金メダル獲ってほしかった」 銀メダル・美帆の悔しさ思いやり、パシュートでの雪辱誓う
-
高木美帆 運動能力抜群のメモ魔 恩師「運動も勉強もできて性格もしっかり 源しずかちゃんみたい」
-
“冬の女王”高木美帆 通算メダル4個目で日本人冬季で単独トップ浮上 清水、船木、小平らを上回る
-
高木美帆 得意の1500メートルで銀メダル獲得 世界記録保持者の意地で表彰台は確保
-
女子1500の佐藤綾乃は4位入賞 銅まで0秒10差 個人種目でのメダル獲得ならず
-
大相撲トーナメントに次いでNHK福祉大相撲も中止…8日に全協会員対象のPCR検査
-
高木菜那 1500メートルはメダル逃すも8位入賞 五輪初対決の妹・美帆「銀」には崩れ落ちる
-
アイスホッケー女子のカナダ―ROCを異例のマスク着用で実施 ROCの検査結果間に合わず開始65分遅れ
-
羽生結弦、ティッシュカバーは黄&赤の“プーさん色”過去2大会は青とケーキ
-
羽生結弦、4回転半完成へ決意「オリンピックで上にいくためには絶対に必要」
-
羽生結弦「僕のルーティーンを大切にしてくれた」オーサー・コーチに感謝
-
【羽生結弦、語る 北京練習編】4回転半「どうしても達成したい目標」「上に行くために絶対必要」
-
坂本花織 フリー2位で銅メダル貢献 「頭がパニック」から4年「頑張ってきて良かった」
-
羽生結弦、北京で「天と地と」4回転半も挑戦 2月7日公式練習ドキュメント
-
羽生結弦の北京での闘いが始まった 初公式練習で4回転半にアタック
-
フィギュア団体 銅メダル喜ぶ「みんながノーミスって、こんな凄いことはない」
-
ワリエワ「本当にハッピー以上の気持ち」 五輪で女子初の4回転成功
-
羽生結弦、五輪3連覇へ始動 サブリンクで公式練習初参加
-
ブルズが東地区全体の首位から陥落 ネッツの不振でラプターズが6位に浮上
-
ワリエワ、五輪で女子初の4回転成功 後半転倒もSPに続いて1位 ROCが団体金
-
日本が銅!フィギュア団体で初メダル 坂本花織、ラストの女子フリーで148・66点
-
小松原組 夏木マリ版「SAYURI」で5位 「国際大会で日本語のポエムが流れるのはたぶん初めて」
-
ロコ・ソラーレ吉田夕梨花 「きゃー」JO1からのエールに歓喜 大ファンで、オンライントーク会にも参加
-
スピードスケート女子1500メートル日本時間午後5時30分開始 高木美が悲願の個人金メダルに挑む
-
フィギュア団体戦 小松原美里、尊組はアイスダンスFD98・66点 日本はメダル確定
-
脊椎損傷のスノボ女子・芳家里菜 手術終了を報告「自由に動けるまでにはもう少し時間がかかるかも」
-
フィギュア団体戦 日本が初メダル確定!
-
中井孝治氏 岩渕“強気”ならメダル届いたかも
-
大迫傑さん“現役復帰”表明、公式サイトで再挑戦への思い「またレースを走ってみたいと思ってる」
-
フィギュア団体戦 “りくりゅう”ペアフリーで2位 自己ベスト139・60点
-
小平智は33位 ホーギーが初優勝 米男子ゴルフ
-
金1号の小林陵侑 祝福の岸田首相に“約束”「まだ競技が残っている…日本をもっともっと盛り上げる」
-
<羽生結弦を語ろう(5)>震災後交流・高原カネ子さん「私たちと同じ視点に」「私たちの元気の源」
-
小林陵侑 日本勢金メダル1号!長野の船木以来のV 五輪の魔物は?に「僕が魔物だったかも」
-
陵侑の金メダルに兄・潤志郎歓喜「ジャンプ界に本当に大きなものをつくってくれた」
-
レジェンド葛西が愛弟子・陵侑を祝福「涙全部出た。伝説に残る北京の金メダル」
-
船木和喜氏 陵侑の“前傾フォーム”高い汎用性証明した 4冠獲れる力ある
-
金メダル・陵侑 「上」と「前」の世界屈指の踏み切り 助走スピードを殺さない飛び出しが強さの秘密
-
新種目初メダルへ 7日混合団体 男子・陵侑&佐藤 女子・沙羅&伊藤
-
羽生が決戦の地・北京入り!8日SPは午後1時19分、21番目の滑走 五輪3連覇へ舞台は整った
-
羽生、8日SPは第4組 GPシリーズ負傷欠場で今季獲得ポイントがないため
-
フィギュア・鍵山が自身初、史上3人目のフリー200点超え 日本3位で団体初メダルに前進、7日決着
-
岡崎真氏 「オーバーターン」でも加点される鍵山のジャンプの質
-
フィギュア・樋口新葉、ノーミス2位でバトン 女子SP74.73点、日本は団体初メダル圏内3位
-
宇野のランビエル・コーチが合流「一番調子が良い練習を見せられて良かった」
-
スマイルジャパン初黒星も笑顔の1次L突破!ホームの声援受ける中国相手に死闘延長戦で勝ち点1
-
川村あんり 17歳冬季五輪最年少メダルならず涙の5位「申し訳ない気持ちでいっぱい」
-
恩師が語る川村あんり「天才と言われるけど、そうじゃない」五輪は努力のたまもの
-
附田雄剛氏 川村よ胸張れ 失敗の滑りなくベストパフォーマンスだった
-
住吉、涙の15位「後悔がないように滑ることができた」 冨高、笑顔の19位「初めての五輪楽しめた」
-
モーグル勢最年長32歳の星野 決勝2回目進めず涙「笑顔で終わりたかった」
-
男子モーグル銅の堀島、4年後の金メダルへ4回転解禁視野「4年あれば使える精度になる」
-
男子距離複合・馬場 ポール折れた…ストック1本での滑走強いられ35位
-
岩渕、涙の5位 日本勢スロープスタイル最高順位更新も…メダルちらつき「滑りに集中できなかった」
-
17歳・村瀬心椛、攻めるも10位で最年少メダルお預け「やりたい技が出せずに悔しい」
-
ふに落ちない競技によって異なる年齢制限
-
一戸 5000メートル12位も「決して悪いタイムではない」19秒台に納得 視線は1500メートルへ
-
黒岩敏幸氏 1500の滑り極めている美帆…金への鍵は3000でつまづいた「入り方」の修正
-
謝謝!パスポート無事"帰還"
-
早田ひな、地元・北九州で躍動!日本生命4連覇へ頼もしいエース「1位通過が目標」
-
トヨタ・西山雄介「積極果敢に」 27歳初マラソンでいきなり大仕事、2時間7分47秒の大会新記録V
-
神戸WTBモエアキオラ、自ら誕生日祝う3トライ 「うれしい。最高の1日になった」
-
古江 7バーディー30位 ダボも切り替え巻き返した