2年ぶり大阪開催の春場所 二所ノ関親方が占う 本物の強さを得た阿炎の勢いに注目

2022年03月13日 05:30

相撲

2年ぶり大阪開催の春場所 二所ノ関親方が占う 本物の強さを得た阿炎の勢いに注目
二所ノ関親方が次期大関候補の筆頭に挙げた阿炎(右) Photo By スポニチ
 大相撲春場所は13日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。大阪では2年ぶり開催で、有観客は3年ぶり。12日には会場で土俵祭りが営まれ、八角理事長(元横綱・北勝海)らが15日間の安全を祈願した。横綱・照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)の実力は抜けているが、2月上旬のコロナ感染がどう影響するか。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は新関脇の阿炎(27=錣山部屋)に注目した。
 大阪で有観客としては3年ぶりの開催となった春場所。力士のモチベーションは高いですが、2月上旬に多くの力士が新型コロナウイルスに感染するなど場所前の調整は難しかったと推測します。

 御嶽海が大関に昇進し、次代の大関を狙う関脇、小結は3人が入れ替わりました。最大の注目は阿炎です。規則違反で出場停止を科せられ、幕下まで陥落。昨年九州場所で幕内に復帰し、2場所連続で12勝を挙げました。この強さは本物。相撲内容が2、3年前とは一変しています。長身で腕が長く、相手に取りにくさを感じさせる利点があります。

 自分から攻める姿勢を貫いて結果を残せていることが自信になっています。苦し紛れのはたきや、変わりながらまわしを取るような以前の消極的な姿勢は全くありません。文句なしの大関候補の一番手。突き押しは調子に乗ったら手がつけられない。阿炎はコロナに感染しなかったので、調整もしっかりできているはず。勢いはまだ続きそうです。

 もちろん、横綱・照ノ富士の巻き返しも、あって不思議はありません。初場所は爆弾を抱える膝が終盤悪化したようで、まさかの失速でした。寒さがこたえる1月に比べれば、膝の負担も軽減されることでしょう。力、技術ともに一枚も二枚も抜けている存在。序盤を乗り切れば賜杯も近づきます。

 大関昇進を果たした御嶽海は、3度目の優勝を手にした初場所で連敗しなかったところに成長を感じました。まだ伸びしろも見込めますし、春場所はさらに進化した姿を見せてくれるでしょう。対照的に、カド番の2大関は厳しい現実に直面しています。正代は初優勝した頃の強さを知っているので、初場所の皆勤負け越しが信じられません。必要なのは現状からの脱却。「正代、変われ!」と声を大にして言いたいところです。貴景勝もケガなどがあり、なかなか安定しませんが、力のある力士。うまく前半をクリアできれば優勝争いに加わると思います。(元横綱・稀勢の里)

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