【世界陸上】競歩・松永大介「後悔はない」大逃げ 「ここで引退するつもりだったけど…」

2022年07月25日 01:55

陸上

【世界陸上】競歩・松永大介「後悔はない」大逃げ 「ここで引退するつもりだったけど…」
男子35キロ競歩 スタートする松永大介(代表撮影) Photo By 代表撮影
 【陸上・世界選手権最終日 ( 2022年7月24日    米オレゴン州ユージン・ヘイワードフィールド )】 男子35キロ競歩が行われ、日本の川野将虎(旭化成が2時間23分15秒で銀メダルを獲得した。野田明宏(自衛隊)は2時間25分29秒で9位。序盤から大逃げの展開に打って出た松永大介(富士通)は2時間33分56秒で26位だった。
 松永の策は成功しなかった。だが、見る者を引きつけた。オレゴンの朝日を背に、スタートから飛び出してリードを広げていく。7キロ地点で2位集団と53秒差。新設された35キロのレースで独歩した。

 だが、21キロ手前で2位集団に吸い込まれると、その後は徐々に順位を下げた。終わってみれば26位。目標に掲げたメダルには大きく届かなかった。

 「準備不足でした。5月下旬に右膝の靱帯を痛めて準備不足だったけど…。やりたいレースはできたので。後悔はないです」

 オレゴンは思い出の地だった。14年の世界ジュニアは10000メートル競歩で優勝。その舞台がオレゴンだった。あの金メダルから8年。「何の巡り合わせか分からないけど、あの時の再現をできるようにしたい」。強い覚悟で現地に入った。

 高校時代から才能を高く評価され、16年のリオ五輪にも出場した。その後は18年シーズンまで飛躍が続いたが、19年からはケガもあって一気に転落した。座骨神経の炎症によって痛みやしびれが生じる梨状筋症候群を患い、足に力が入らない状況が続いた。20年2月から3カ月間も完全休養に充てた。

 「焦りもあったし、メンタルはかなりやられていた。引きこもるような生活をしている状況で、気持ちの落ち込みも大きかった」

 東京五輪の出場も逃し、自身の競技人生も考え直した。目標としてきた「シニアの世界大会でのメダル」を獲れないまま終わっていいのか。考え抜いた末にたどり着いた答えが「NO」だった。

 今回、そのメダルを手にすることはできなかった。「正直、ここでメダルを獲って引退するつもりでした。でも、あと2年間。最後の2年間をメダルに懸けて頑張りたいです」。悔しさを胸に、また歩き続ける。

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