~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑨ 「左サイドの壁」を正しく理解する

2022年09月02日 12:00

ゴルフ

~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑨ 「左サイドの壁」を正しく理解する
~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑨ 「左サイドの壁」を正しく理解する Photo By スポニチ
 「左サイドの壁」という言葉をゴルフレッスンでよく耳にしますが、果たしてどれだけの人が理解しているでしょうか。と言うのも、道具の発達により、以前とは異なる解釈が主流になっているからです。奥嶋誠昭コーチによれば、ポイントは左膝の角度。ここを伸ばすか、曲げておくかで飛距離が変わると言います。果たして、正解は?日大ゴルフ部出身OGの加藤みなみさんがアシスタント役を務めます。 【動画で見る・~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑨
 加藤 私が以前教わった左サイドの壁とは、ダウンスイングからインパクトにかけて左膝を曲げた状態で左膝の位置を変えないことだったのですが…。

 奥嶋 僕もそう習いましたよ。左膝を曲げたまま、伸ばさずに打てと。それこそインパクト後も左膝の形を変えるなと教わりました、ただ、最近は左膝を曲げておくのではなく、伸ばした状態で壁をつくる理論が正解なんですよね。

 加藤 えっ、左膝を伸ばしても、壁は作れるんでしょうか?

 奥嶋 むしろ左膝を伸ばしたほうが壁を作りやすくありませんか?

 加藤 左膝を伸ばしてしまうと、そのまま左膝が目標方向に流れてしまいそうなんですが。

 奥嶋 なるほど、確かにそういう人もいるでしょう。でも、左膝を伸ばしたほうがヘッドスピードは上がるんですよ。実際、ツアープロを見ても、皆、左膝を伸ばしていますしね。試しに、加藤さんも左膝を伸ばすパターンでクラブを振ってみましょうか。

 加藤 おそらく私の場合、左膝は曲がっていると思いますが、とりあえず振ってみます!

 奥嶋 ああ、確かに左膝は曲がってましたね。それでは、意識的に左膝を伸ばしてみましょう。

 加藤 ブーン! あっ、なんか今ヘッドスピードが上がったような感じがしました。

 奥嶋 見た目にも速かったですよ。

 加藤 やっぱり!でも、いざボールを打つときにできるかどうか不安がありますね。何かいいドリルはありますか?

 奥嶋 ドリルというよりも、とにかく左膝を伸ばす動きを習慣づけることです。クラブを持たなくてもいいので、ダウンスイングの切り返しから左膝を伸ばす動作を繰り返しやってみましょう。電車の待ち時間など、ちょっとした時間を利用するのがポイントです。

 加藤 要は慣れることが大切なんですね。ちなみに、右膝の使い方も変わったんですか?

 奥嶋 実は変わったんです。やはり、以前はバックスイングで右膝は曲げたままがいいとされていましたが、現在は伸ばすのが正解です。イメージとしては、バックスイングでは右膝を伸ばし、左膝は曲げた形に、ダウンスイング以降は左膝を伸ばして、右膝は曲げた形にしておきます。こうすることで、体が上下に動きますが、ヘッドスピードに一番貢献するのは、この上下の動きなんです。

 加藤 つまり、飛距離アップしたければ、膝の曲げ伸ばしはマストということですね?

 奥嶋 その通りです。バックスイングでは右膝を伸ばした方がパワーをしっかりためることができて、ダウンスイング以降では、左膝を伸ばした方が、ボールにそのパワーをしっかり伝えられるわけです。今までとは真逆の人もいるかもしれませんが、それが今のクラブに合ったスイングなので、少しずつでもいいので切り替えていくことをお勧めします。

 (取材協力=ヒルトップ横浜クラブ)

 ◆奥嶋 誠昭(おくしま・ともあき)1980年(昭55)3月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の42歳。10歳からゴルフを始める。堀越高から米大学留学を経てレッスン活動をスタート。これまでに谷原秀人や一ノ瀬優希らのコーチを務め、現在は稲見萌寧、木下稜介らの指導を行っている。
 
 ◆加藤 みなみ(かとう・みなみ)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県佐野市出身の25歳。12歳でゴルフを始める。日大卒。大学時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは72。将来の活躍が期待される女子ゴルファーを応援するプロジェクト「白金台女子ゴルフ部」のマネジャーとしても奮闘中。

おすすめテーマ

2022年09月02日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム