女子57キロ級・桜井 リオ女王破り“連覇”「勝ち切れてうれしい」

2022年09月17日 05:15

レスリング

女子57キロ級・桜井 リオ女王破り“連覇”「勝ち切れてうれしい」
世界選手権女子57キロ級で優勝し、日の丸を背にマットを走る桜井 Photo By 共同
 【レスリング 世界選手権第6日 ( 2022年9月15日    セルビア・ベオグラード )】 女子57キロ級で桜井つぐみ(21=育英大)が優勝した。非五輪階級の55キロ級を制した昨年に続き、2度目の世界一となった。決勝では16年リオ五輪53キロ級で吉田沙保里の4連覇を阻んだヘレン・マルーリス(米国)に3―0で勝利。女子は全日程が終了し、日本勢は5個の金メダルを含む出場全9選手がメダルを獲得した。16日の第7日は男子フリースタイル57キロ級の長谷川敏裕(26=三恵海運)が準々決勝で、74キロ級の高谷大地(27=自衛隊)が3回戦で、92キロ級で兄の高谷惣亮(33=ALSOK)が2回戦でそれぞれ敗れた。
 ビッグネームを破り、世界にその名をとどろかせた。決勝の相手は6年前、五輪決勝で吉田を破り、日本中に衝撃を与えた30歳のマルーリス。育英大の柳川美麿監督から「世代交代だ」と背中を押された桜井は臆することなく立ち向かった。

 第1ピリオドは1―0でリード。相手に疲れが見え始めた第2ピリオドは、片足タックルから相手のバックを取って2点を追加した。そのまま逃げ切り、「相手は五輪チャンピオンで、ずっと世界のトップで戦っている選手。世界一になりたい気持ちが強かった。しっかりと勝ち切れたのは凄くうれしい」と喜びをかみ締めた。

 同階級にはリオ、東京と五輪2連覇の金城(旧姓川井)梨紗子(サントリービバレッジソリューション)が君臨する。その金城は5月の出産を経て、10月の全日本女子オープンで復帰を果たす見通し。桜井も「国内には強い選手がたくさんいる。まずは国内で勝ち抜かないといけない」と厳しい五輪代表争いを見据えた。

 《石井はミス続き銀》女子68キロ級で初出場の石井亜海(育英大)は決勝で東京五輪女王のストックメンサ(米国)にフォール負け。開始早々失点すると一気にたたみ掛けられ、19歳での初戴冠はならず「小さなミスが凄く大きくなって返ってくる」と悔しがった。17歳だった19年の全日本選手権を制覇したホープ。大きな壁にぶつかったが、「課題を克服する手段、方法とかはいろいろあると思う。やるべきことを淡々とこなしていきたい」と前を向いた。

 《古市 連続表彰台》女子72キロ級で2連覇は逃した古市雅子(自衛隊)だが、3位決定戦を制して3大会連続の表彰台。2―2で迎えた第2ピリオドの残り21秒で、相手反則による得点で勝ち越し「しっかり審判が見ていた。自分が少し有利になったが、最後までしっかりと戦えたので良かった」と振り返った。パリ五輪は68キロ級で目指す意向で「新しい戦いになる。今回見つかった課題を、12月(全日本選手権)へ向けてしっかりやっていきたい」と話した。

 《元木が寝技完勝で銅》女子59キロ級で初出場の元木咲良(育英大)は3位決定戦でフォール勝ちを収め銅メダルを獲得。第2ピリオド開始直後に相手の腕を手繰って寝技に引き込む完勝劇に、「冷静に判断できた。フォールまで持っていけたので良かった」と納得の表情を見せた。試合直前には同じ育英大で切磋琢磨(せっさたくま)する同学年の桜井が57キロ級を制覇。「刺激も凄くもらっている。追い付けるように頑張りたい」と、さらなる成長を誓った。

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