りくりゅう 年間グランドスラム王手 GPファイナルに続きペア日本勢初の四大陸選手権制覇

2023年02月13日 04:30

フィギュアスケート

りくりゅう 年間グランドスラム王手 GPファイナルに続きペア日本勢初の四大陸選手権制覇
フリーを演じる三浦、木原組(AP) Photo By AP
 【フィギュアスケート四大陸選手権第3日 ( 2023年2月11日    米コロラド州コロラドスプリングズ )】 ペアでは、GPファイナル優勝の三浦璃来(21)、木原龍一(30)組(木下グループ)がショートプログラム(SP)に続きフリーでもトップの137.05点を出し、合計208.24点で初優勝を果たした。同種目で日本勢初の快挙となった。これで国際スケート連盟主催の主要大会を同一シーズンで総なめにする「年間グランドスラム」に王手。3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)で、全種目を通じ日本勢初の偉業に挑む。
 演技を終えた瞬間、木原はその場に倒れ込む。三浦も苦しそうな表情で膝をついた。標高約1800メートルの高地での今大会は、体力の限界が試される消耗戦だった。「あ~疲れた」と三浦。はうように向かったキス&クライでは、優勝できた喜びよりも思わず本音が漏れた。

 その様子は生配信されており、会見で三浦は「確認してからピーを入れて」と慌てたが、後の祭りだ。演技直後の様子を問われると、「シンプルに空気が薄かった」と木原。三浦は「龍一くんはいつも倒れ込むんですけど、今日はそれが激しかったので標高のせいかな」とジョークも。演技の苦しさを吹き飛ばすほどの明るいコメントで振り返った。

 今できるベストを尽くした。序盤の3回転トーループからの3連続ジャンプや3回転サルコーで着氷が乱れ、スロー3回転フリップでもミスが出た。それでも、木原が三浦を持ち上げる2つのリフトで最高のレベル4を獲得。しっとりとした曲調に合わせた情感たっぷりの滑りで会場を引き込んだ。「2人で頑張ってきたことが結果に表れ始めている」と木原。どんな状況でも実力を発揮できる強さがあった。

 GPファイナルに続き、今大会も日本勢で初制覇。昨年末の全日本選手権は航空機の大幅遅延とロストバゲージで欠場する不運もあったが、年間グランドスラムに王手だ。「僕たちの結果を見て、若い世代がペアを目指したいと思ってくれたら。まだまだ頑張らないと」と木原。無敵状態の“りくりゅう”が箔(はく)をまた一つ付け、3月の世界選手権に向かう。

 ▽四大陸選手権 欧州を除く国と地域で争う大会。大会名はアジア、アメリカ、オセアニア、アフリカの大陸を指す。1998~99年シーズンから毎年開催され、21年は新型コロナウイルスの影響で中止。今年はオーストラリア・シドニーで開催予定も同国協会が返上。19年以来4年ぶりの米国開催でコロラドスプリングズでは12年以来4回目となった。来年は中国・上海で開催予定。

 《「生涯」は羽生、真央ら達成》▽フィギュアスケートのグランドスラム 国際スケート連盟主催の主要大会(GPファイナル、四大陸選手権または欧州選手権、世界選手権)3つを制覇すること。同一シーズンでの達成を意味する「年間グランドスラム」は、全種目を通じて日本勢は未達成。「生涯グランドスラム」は男子の高橋大輔、羽生結弦、宇野昌磨、女子の浅田真央が達成。上記3大会に五輪金メダルを含めた「ゴールデンスラム」、ジュニア&シニアでの主要国際大会を総なめにする「スーパースラム」は羽生が達成し、宇野が王手をかけている。

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