石川佳純 涙と笑顔と感謝の引退会見「卓球に恩返し」 中国メディアの質問は自ら通訳も
2023年05月19日 04:55
卓球
ラケットを置くことを意識したのは東京五輪の後だったという。「これまでは五輪が終わっても、すぐに次の五輪を目標にしていたけど、東京が終わってからは目の前の試合を意識していた」。今年に入って真剣に進退と向き合い、4月の海外ツアーを最後に引退すると3月に決断した。
世界のトップレベルで10年以上も戦い続けた。現役時代の前半は4学年上の福原愛を追いかけ、後半は8学年下の伊藤美誠(スターツ)ら新世代に追い上げられながら奮闘した。「何事も追い抜く時は楽しいけど、追い抜かれる時は難しい時間もある。その中で頑張ることをやめずに、東京五輪への出場権を得られた」。五輪3大会連続メダルは、たゆまぬ努力の証だった。
ファンへの思いを問われ涙も浮かべた会見では、中国メディアの質問を自ら通訳する多才ぶりも発揮。指導者への興味を問われ「そこはまだ考えていない」としながら「自分は卓球界に育ててもらった。素晴らしいスポーツに恩返しをしたい」とも語った。今後は競技の普及活動を継続しつつ、新たな分野にも挑戦していく。(西海 康平)
◇石川 佳純(いしかわ・かすみ)1993年(平5)2月23日生まれ、山口県出身の30歳。卓球選手だった両親の影響で小学1年から競技を始める。高校3年だった11年1月に全日本選手権のシングルスで初優勝し、計5度制覇。五輪は団体でロンドンから東京まで3大会連続でメダルを獲得した。17年には世界選手権個人戦の混合ダブルスで金メダルに輝いた。
≪全農・野口氏から花束≫会見では所属する全農の野口栄代表理事理事長が石川に花束を贈呈した。11年に所属契約を締結。それ以来「アスリートの活躍を『ニッポンの食』で支える。」をスローガンに、活躍をサポートしてきた。野口代表理事理事長から「全農として石川選手をサポートさせていただいたことを心から誇りに思います」と花束を受け取った石川は、「感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。全農は今後も石川の活動を応援していく。
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