鬼の目にも涙 横浜クラブ史上最高の3位に導いた沢木監督「チーム愛が出てきた」ラグビーリーグワン
2023年05月20日 02:04
ラグビー
卓越した戦術眼とともに、厳しい指導で知られる沢木監督の目が潤んだのは、会見中盤での一幕だった。23人の試合登録メンバー外の選手を「ライザーズ」と呼ぶ横浜。この縁の下の力持ちたちへの思いを問われると、指揮官はこう語りながら、次第に目は潤み、言葉を詰まらせていった。
「昨日の練習後もメンバー外が泣いていて、凄くチーム愛が出てきて。みんなで勝ち取った勝利じゃないですか」
就任2季前の18~19年シーズン、チームはトップリーグ時代では過去最低の12位に沈んでいた。リーグ屈指の充実した練習拠点施設を持ちながら、成績が伴わない。指導を開始した直後、沢木監督自身も「ここは12位だなと思った」という。サントリーで監督を務めた16~18年には、リーグ2連覇へと導いた知将が感じた常勝軍団との決定的な差は、「(選手の)自分への投資、学ぶ姿勢」だったという。
この試合でも活躍したCTB梶村祐介主将、WTB松井千士ら同じくサントリーからの移籍組は、古巣時代と比較して「優しくなったと思う」と声をそろえる。それでも練習や試合でスタンダードを高く設定し、厳しい叱咤激励をいとわない。選手がどれだけ活躍しても手放しでほめずに、必ず憎まれ口を一くさりは入れる。シーズン終盤までライザーズの一員として過ごしながら、レギュラーシーズン残り2試合から先発をつかみ、この日は2トライを挙げた松井に対しても、「(活躍できたのは)松井ではなくて、僕の我慢強さ(のおかげ)ではないか」と話した。
満足するには早い。だが、次のステージにステップアップするための土台は築いた。プレーオフ常連の一角を崩し、日本ラグビーに新たな時代の到来を予感させた横浜と沢木監督。「全てですよ。全てあると思う」。成長の余地を問われ、そう答えた指揮官もまた、名将への階段を一つ上がった。
おすすめテーマ
2023年05月20日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
時疾風が藤青雲との新十両対決制して3勝目「体力的にはキツいけど気持ち的には楽」十両でも堂々
-
多田修平 6月の日本選手権欠場を発表 来年のパリ五輪念頭に「基礎的な練習を積まないと間に合わない」
-
リーグワン決勝は切り札投入も鍵 埼玉・坂手「いい選手がそろってる」 東京ベイ・立川「最高の23人」
-
明生 俳優陣に負けない存在感 業師・宇良を下し6連勝
-
渋野は暫定89位 巻き返しで予選通過へ「相当頑張らないと…まあ頑張ります!」
-
照ノ富士ら3力士が初日から全勝キープ 若元春は初黒星 大栄翔は豊昇龍との1敗対決制す
-
【リーグワン】花園、日本代表WTBフィフィタが電撃退団 水間良武ヘッドコーチも勇退
-
蝉川1打差2位浮上 丸山が初の予選通過 男子ゴルフ ゴルフパートナー・プロアマ
-
丸山茂樹の長男・奨王が初の予選通過「ずっと赤字なので早く赤字ゴルファーから卒業したい」
-
朝乃山 引退する栃ノ心に感謝の6連勝 巡業で右四つ教わり「活躍して恩返しを」
-
アマチュア横綱・大の里が2勝目「次の場所につながるように」“3年先の稽古”ならぬ“1場所先の相撲”
-
【玉ノ井親方 視点】大栄翔“不安”を打ち消す威力のある立ち合い
-
ブリヂストン・レディース 降雨によるコンディション不良でサスペンデッド 岩井明が暫定首位
-
元大関・栃ノ心が引退会見「頑張ればいいことあると思ってやってきた」ジョージアからの声援を思い出し涙も
-
新幕下・東俊隆が日体大同期対決制して初白星 三段目付け出しの嘉陽に「やっと追いつけた」
-
ブリヂストン・レディース 降雨によるコンディション不良で中断 渋野日向子は8番終了時点で暫定89位
-
「なおレ」ご免だ!レイカーズファンが八村塁を熱烈支援「もっと出すべき」「ヨキッチ封じた」
-
“ヨキッチ・ストッパー”となった八村とジェームズとの違い 求められる役割分担の変更
-
元大関・栃東の玉ノ井親方が明かした先代師匠との秘話「5回相撲取って…」中学時代に“親子対決”
-
小祝さくら 寝坊でバタバタも…68で暫定5位浮上「1時間目覚ましをかけ間違えて」
-
元大関・栃ノ心が引退 今場所は十両で初日から5連敗「場所前はこんな結果になるとは思わなかった」
-
レイカーズまた惜敗 八村は8本連続シュート成功で21得点 ヨキッチには最後まで抵抗
-
成田美寿々&二所ノ関親方「コレができれば80台!!」⑤ ラフからの打ち方
-
ビキニフィットネス・ダンシーあずさ ゴールドジムでのショット公開に「超美しいです」「素敵ですね」
-
松山英樹と比嘉一貴は暫定42位、星野陸也は同99位と出遅れ 全米プロ選手権
-
祖父は元近鉄ラガーマン 孫の女子高生がつないだ絆
-
日本ツアー賞金王の比嘉一貴は2オーバー72「甘くはなかった」4連続バーディー先行も終盤失速
-
ナダル 来季限りで現役引退へ 36歳「赤土の王者」
-
キャロウェイ「パラダイム」アイアンが話題
-
石川佳純 涙と笑顔と感謝の引退会見「卓球に恩返し」 中国メディアの質問は自ら通訳も
-
石川佳純「卓球に夢中になった23年間」「スポーツ分野などの勉強もしてみたい」
-
担当記者が語る石川佳純 コートでは負けず嫌いも ユーモアたっぷりな素顔
-
石川佳純の中、高時代の恩師も今後に期待「いろいろなことを見つけながら、やっていってほしい」
-
獅司が無傷3連勝 初めての大銀杏に「カッコイイデ~ス」ウクライナ出身初の十両昇進へ前進
-
朝乃山が手応え5連勝「しっかり踏み込めた」 得意の組手にこだわらず一気押し出し
-
カド番の貴景勝 試練の差し違え2敗目 埼玉栄高の先輩・翔猿のすくい投げ打ち返し軍配上がるも…
-
霧馬山「やってみようと」珍しくもろ差し狙って逆転勝ち 大関獲りへ序盤4勝1敗
-
埼玉・コロインベテ 先発に復帰「コンディションは整っている」
-
錦織圭 6月12日開幕の大会での復帰目指す 現状は「ショットの強度などは上がっている」
-
岩井明 64マークし2週連続で首位発進 前半インはツアー最少記録タイ29
-
昨季年間女王の山下 気持ち切り替え2打差3位発進「久しぶりに良い初日」
-
渋野 今季国内初戦は自己ワースト発進 ツアー登録後初のトリプルボギーで110位
-
馬場 憧れの金田と岩井千と同組 72で58位も「凄く楽しく回れた」
-
丸山茂樹の長男・奨王 悔しい67「もうちょっと伸ばしたかった」
-
尾崎慶 8アンダーで首位発進 前半インで9ホール最少記録タイ28