翔猿も照ノ富士から金星 約1分の熱戦制した 座布団舞い「夢見ていた光景」

2023年07月12日 05:30

相撲

翔猿も照ノ富士から金星 約1分の熱戦制した 座布団舞い「夢見ていた光景」
攻めて照ノ富士(左)を寄り切りで破った翔猿(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所3日目 ( 2023年7月11日    愛知・ドルフィンズアリーナ )】 平幕の翔猿が結びで横綱・照ノ富士を寄り切りで破り、2個目の金星を獲得した。懸命の粘りで約1分の熱戦を制し座布団乱舞の波乱劇を演出した。照ノ富士は2日連続の金星配給。取組後には両膝を気にするそぶりを見せ連続優勝に暗雲が立ち込めた。大関昇進を目指す3関脇は大栄翔が翠富士を一気の突き出しで下し、三役以上で唯一の3連勝。豊昇龍は錦木に、若元春は正代に敗れ初黒星を喫した。
 大歓声とともに激しく舞う座布団。土俵上にまで何枚も飛んでくる歓喜乱舞の中、翔猿は息も絶え絶えに花道を引き揚げた。支度部屋に戻っても激しい呼吸は収まらない。「ヤバいですね、久しぶりに。勝った時も何も見えてなかった。疲れすぎて…」と言葉を絞り出した。

 連敗して迎えた横綱戦。出番前に汗だくになりながら離れて取る作戦を練ったが、横綱にあっさりと差し込まれた。だが自身のまわしがユルユルに緩んで引きつけが利かなくなる展開が味方した。相手が力任せに攻めてきても「とにかく止まらないように心がけた」と懸命の防戦。自身の蹴手繰りで呼び込んで土俵際に詰まったが、すくい投げで相手の左上手を切って窮地を脱出。すかさず切り返しで相手のバランスを崩し、最後は頭を相手の胸に押し込みながら寄り切った。

 昨年秋場所2日目に照ノ富士に勝利して以来の金星。前回はコロナ下で座布団は飛ばなかっただけに「今まで夢見ていた光景。うれしかった」と力士人生最高の瞬間に酔いしれた。1メートル74、135キロの小兵を支える原動力は激しい闘争心。「大勢のお客さんの前ではより燃える」と語るファイターが通常開催に戻った名古屋で本領を発揮した。

 長い相撲の後には長い帰路が待っていた。宿舎のある三重県鈴鹿市まで車で1時間半かかるという。「往復で3時間、きついっすよ」と苦笑いだが、いつもは長く感じる車中も夢心地の快適な時間になったはずだ。

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