【夜中に足がつる】原因と対処法。病気の前兆って本当?[医師監修]

2023年10月13日 09:00

【夜中に足がつる】原因と対処法。病気の前兆って本当?[医師監修]
夜中に足がつる原因と対処法を、お医者さんに聞きました。「足がつるのは病気の前兆?」という疑問にもお答えします。布団の中で伸びをすると足がつる原因や、足がつりやすい人の特徴なども解説します。 夜中に足がつる「原因」 夜中に […]

夜中に足がつる原因と対処法を、お医者さんに聞きました。「足がつるのは病気の前兆?」という疑問にもお答えします。布団の中で伸びをすると足がつる原因や、足がつりやすい人の特徴なども解説します。

夜中に足がつる「原因」

夜中に足がつる

夜中に足がつる原因としては、以下のことが考えられます。

  • 水分不足
  • ミネラル不足
  • 姿勢の悪さ

原因① 水分不足

体内の水分が不足すると、血流不良を起こします。血行不良が起こると、筋肉が収縮しやすくなるため、足がつりやすくなります。

原因② ミネラル不足

以下のミネラル成分が不足していると、足がつりやすくなります。

  • カリウム
  • ナトリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム

これらのミネラル成分が不足すると、血液中の電解質(ナトリウムやカリウムなど)の適正な濃度に乱れが生じて、筋肉の収縮と緩和に関係する神経信号の伝達が妨害されます。その結果、足の筋肉が硬くなり、つりやすくなります。

原因③ 姿勢の悪さ

  • 猫背
  • 巻き肩
  • ストレートネック

などの悪い姿勢は、体の歪みにつながります。体が歪むと、神経が圧迫され、足がつりやすくなります。

夜中に足がつるのは、何の病気の可能性がある?

夜中に頻繁に足がつるのは、病気が原因である可能性が考えられます。具体的には以下の病気の可能性が考えられます。

血管の病気

動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)などの血管の病気が原因で、夜中に足がつることがあります。

動脈硬化の血管

血管の病気により、足の動脈が詰まる・細くなるなどが起こると、末梢血管に循環障害が起こり、足がつることがあります。また、足の血管の病気である下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)により、老廃物の多い血液が足の静脈に溜まることも原因として挙げられます。

夜中に足がつる以外の症状

  • 手足の冷えやしびれ
  • 安静にしていても患部に痛みが生じる
  • 小さな傷などをきっかけに、皮膚が壊死する
  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう)
    →長時間歩くと、ふくらはぎなどが痛くなり歩けなくなるが、休むと痛みが無くなり再び歩けるようになる。血管の閉塞が悪化すると、次第に歩ける距離が短くなる

うつ病、自律神経失調症

うつ病、自律神経失調症

うつ病や自律神経失調症などの精神的な病気は、交感神経の過度な緊張を引き起こします。その結果、筋肉がけいれんを起こしやすくなり、足がつることがあります。

夜中に足がつる以外の症状

  • 気分が落ち込む日が続く
  • 何に対しても悲観的で、興味を持てなくなる
  • 集中できなくなり、ミスが増える
  • イライラしやすくなる
  • 食欲が低下する(または急に食欲が増える)
  • 体重が減る(または増える)
  • 睡眠障害
  • 動悸がする など

必ずしも「夜中に足がつる=病気」というわけではありませんが、足がつる以外の症状で思い当たるところがあれば、医師に相談しましょう。

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夜中に足がつる「対処法」

\次:足がつった時はコレ!/

  1. つま先を上方向に向けて、かかとを90度にする
  2. 膝の裏を床につけるイメージで、力を抜きながらゆっくり足を伸ばす
  3. 痛みが緩和するまで続ける

足がつっている時は、筋肉が過剰に収縮しています。筋肉の収縮を和らげるために、力を抜きながらゆっくりと足を伸ばしましょう。痛みの緩和が期待できます。

\痛くて伸ばせない時も、伸ばした方がいい?/

痛みが強く、足を伸ばすのがつらい時もあるでしょう。足を伸ばせないほど痛む時は、無理せず、できる範囲で足を伸ばしましょう。

足がつるのは、病気の前兆って本当?

「足がつる」という現象は、誰にでも起こりうる現象です。そのため、「足がつる=病気の前兆である」とは断言できません

しかし、以下の場合、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。

  • 予防法を実践しても、何度も足をつる
  • 足がつる以外で、いつもと様子が違う

上記に当てはまる場合は、念のため病院で診てもらいましょう。

糖尿病の人は、夜中に足がつるって本当?

糖尿病の人は、足がつりやすいと言われています。しかし、明確な理由は分かっていません。

考えられる原因としては、

  • 高血糖による、体内の電解質バランスの乱れ
  • 末梢神経の過剰な興奮
  • 血糖値の上昇に伴う、多尿による脱水状態
  • 体内が酸性に傾くことによる、乳酸の蓄積

などのことが挙げられます。

コーヒーを飲むと、足がつるって本当?

コーヒー

コーヒーを飲み過ぎると、足がつる可能性は考えられます。

コーヒーに含まれている「カフェイン」には利尿作用があります。そのため、コーヒーを飲み過ぎると、排尿の回数が増えて、体内の水分量不足を招き、足がつることにつながります。

カフェインは、摂取後4~7時間で体内に作用します。そのため、寝る前にコーヒーを飲むと、就寝中に脱水になり、夜中から明け方に足がつることがあります。

布団の中で伸びをすると足がつる…なぜ?

伸びることでつる原因

布団の中で伸びをすると足がつるのは、血行不良が原因であることが多いです。

寝ている間は、ほとんど体を動かしておらず、心拍数が低下し、血行不良を起こします。血行が悪い状態で伸びをすると、

  1. 足の筋肉が過剰に収縮する
  2. 筋肉に必要以上の負荷が掛かる

  3. 足がつる

ということが起きてしまうのです。

伸びをするとつりやすい人の特徴

ミネラル不足

カリウム・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルは、神経伝達や筋肉収縮に関わっています。そのため、不足すると足がつりやすくなります。

仰向けで寝ている

仰向けで寝ている場合、足の甲とすねが一直線になりやすくなります。この状態が長時間続くことで、感覚器官の機能が衰退し、足がつりやすくなります。

できるだけ横向きで寝る、使用する毛布や掛け布団を軽いものにする等をおすすめします。

冷え性

冷えによる血流不良で、神経伝達機能がスムーズに作用しなくなり、つりやすくなります。

妊娠中

妊娠中は、骨盤内で血管が圧迫されます。その結果、血液の流れが滞り、つりやすくなります。

更年期世代

更年期に突入すると、女性ホルモンの分泌量が減少します。女性ホルモンが減ると、筋肉量が減ってしまうため、つりやすくなります。

こむら返りの予防方法

夜中に足がつるのを予防するためには、以下の方法を試してみてください。

  • 運動習慣をつける
  • 就寝前にストレッチする
  • 食生活を見直す
  • 体を冷やさない

予防方法① 運動習慣をつける

  • 散歩
  • 屈伸運動(膝の曲げ伸ばし)
  • ふくらはぎの筋トレ

などの運動を毎日行いましょう。

毎日体を動かすことで、足の筋肉量の維持と増進、血流改善、疲労回復等が期待でき、足がつるのを防げるでしょう。運動前後はストレッチを忘れずに行ってください。

ふくらはぎを鍛えるおすすめ筋トレ

  1. 立った状態から両足のかかとを上げて、つま先立ちになる
  2. 床ぎりぎりまで、ゆっくりとかかとを下ろす
  3. ①~②を20回×3セット行う

予防方法② 就寝前にストレッチをする

足がつる対策ストレッチ

就寝前につりやすい部分をストレッチしましょう。筋肉をほぐれ、足がつるのを予防できます。マッサージもおすすめです。

予防方法③ 食生活を見直す

  • ミネラル成分を摂る
  • 脱水にならないように1日1リットル以上を目安に水分を摂る

ということを意識しましょう。

特にカルシウム・マグネシウムは、筋肉の動きや働きと密接に関係しています。積極的に取り入れましょう。夜中に足がつるのを予防するためには、就寝前にコップ1杯程度の水分を摂るようにしましょう。

おすすめの食材

  • カルシウム:ヨーグルト、アーモンド
  • マグネシウム:ほうれん草、アーモンド、かつお
  • カリウム:バナナ

予防方法④ 体を冷やさないようにする

体を冷やさないように、湯船に浸かり体を温めてください。

冷えは、むくみ・月経不順・肩こり・頭痛・肌のくすみなどにもつながります。体の冷えには日ごろから注意しましょう。

▼参考
ふくらはぎなどの“筋肉のつり” その原因と対処法 - NHKジャーナル
こむら返りにならないためには? - 静岡静脈瘤クリニック

監修者プロフィール

医療法人小田原博信会 理事長
医学博士 岡村 信良

医療法人小田原博信会 理事長 医学博士 岡村 信良

久野銀座クリニック院長。平成18年北里大学・大学院卒。平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに平成20年に入職、その後院長に就任。

<Text:編集部>

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