石川祐希19点&高橋藍15点 日本エース2人がセリエA開幕戦で躍動、パリに向けレベルアップ誓う
2023年10月24日 04:30
バレーボール
第1セットを落としたものの、それ以降はミラノが主導権を握った。第2、3セットを連取。第4セットも途中までリードする展開だった。しかしジュースの末にセットを失い、流れを手放した。昨季はチーム最高の4位。「優勝を目指したい」(石川)と野心を持って開幕を迎えただけに痛恨の黒星発進だ。
ただ個人的には手応えもあった。最初の得点は第1セット、1―1の場面でレフトからクロスのスパイクを叩き込んだ。第2セットは終盤に強打、サーブで連続得点。第3セットにバックアタックも決めた。ブロック3得点を含むチーム最多19得点を叩き出した。
9日間で7試合をこなした五輪予選の疲労も、予選前に発症した腰痛の影響も感じさせなかった。「個人的にはスパイク、サーブのミスが多かった。スパイクやブロック、レセプション(サーブレシーブ)は悪くなかった。もっともっとパフォーマンスを上げられるように取り組みたい」とレベルアップを誓い「次のピアチェンツァとのホーム戦では勝って1勝目を挙げたい」と第2戦を見据えた。
≪サーブで5点≫高橋が新天地で存在感を発揮した。試合開始からコートに立つと第1セット、5―6からスパイクでモンツァ加入後初得点。これで波に乗りチーム2位の15得点。昨季プレーオフで2位に入った強豪撃破に貢献した。
特に光ったのがサーブだ。第3セット、13―14の場面では強烈なジャンプサーブで2連続サービスエース。ショートサーブも交えて合計5本のサーブポイントを叩き出した。
21年東京五輪後、イタリアに渡った。パドバでの2シーズンを経て今季からモンツァに移籍した。移籍を決断した理由について「レベルアップできる環境なのでモンツァを選んだ」と説明していた。
パリ五輪予選では石川、西田に次ぐ90得点を記録し、得点力の高さを示した。14日に日本を出発する際には「出場権が獲れたので、パリ五輪に照準を合わせてイタリアのシーズンで成長していける」と話していた。準備期間は短かったが、チームメートとの連係もスムーズにこなし、初戦から結果を出した。
来夏の大舞台でメダルを獲得するために重要なシーズンが始まった。高橋は「一試合も無駄にできない。ケガをしないで最高のパフォーマンスを出しながら成長し続けたい」と覚悟を決めている。
▽セリエA イタリアのプロリーグ。最上位のA1は各国のスター選手が集結する世界最高峰リーグ。下部にA2、A3がある。A1は12チーム。レギュラーシーズンは10月~翌年3月に行われ、ホーム&アウェー方式の2回戦総当たりで戦い、上位8チームがプレーオフに進む。