霧島 大関で初優勝 さあ初場所で綱獲り モンゴル出身力士100度目の制覇

2023年11月27日 04:38

相撲

霧島 大関で初優勝 さあ初場所で綱獲り モンゴル出身力士100度目の制覇
2度目の優勝を決め、パレードを行う霧島(左は時疾風) (撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【大相撲九州千秋楽 ( 2023年11月26日    福岡国際センター )】 大関・霧島が大関・貴景勝を突き落とし、自己最多13勝を挙げて春場所以来4場所ぶり2度目の優勝を飾った。昇進後3場所目での大関初優勝で来年4月、定年を迎える鹿児島県霧島市出身の師匠・陸奥親方(元大関・霧島)の最後のご当所場所を飾った。62勝は年間最多勝、モンゴル出身力士として100度目の制覇となった。初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)では初の綱獲りに挑む。
 霧島はじっと目をつむった。優勝を争った熱海富士が取組前に敗れた。2差となり、貴景勝戦を待つ土俵下で優勝が決まった。それでも緩みない闘争心に綱獲りを目指す大関の誇りがにじむ。「勝って締めたい。思い切って当たっていこうと思った。それがよかった」と話した。

 両手で組み止めるように立ち、逆に押し込んだ。両者に間隔が空いた。貴景勝の動きを見極める余裕が生じ、今度はマタドールのように体を開きながら左へ突き落とした。貴景勝に背を向け、大きく息を吐いた。

 師匠の陸奥親方(元大関・霧島)が来年4月に65歳の誕生日を迎え、定年となる。最後のご当所だった。霧島も「霧島という素晴らしい名前で優勝したかった」と言う。その思いは場所前の稽古にも表れ、最大41番、6日連続で計165番と異例の番数をこなした。今回の幕内Vで陸奥親方が制した91年初場所以来、32年ぶりに「霧島」のしこ名が賜杯を抱いた。

 優勝後の支度部屋では3歳の長女を抱き、満面の笑みを浮かべた。来年初場所はいよいよ綱獲りとなる。昇進問題を預かる審判部の佐渡ケ嶽部長(元関脇・琴ノ若)は、来場所も同じ内容で優勝した場合の横綱昇進について「終わってみないと何とも言えないが、そうなるのではないか」と話した。

 春場所で初優勝。夏場所で大関獲りをかなえるも、右肋骨を痛めた名古屋場所は負け越した。それでも62勝は年間最多勝、モンゴル出身力士としても100度目と区切りの優勝で23年を締めくくった。優勝力士インタビューもらしさがはじけた。初場所までは1カ月半。「いつも通りに稽古して。稽古しかない。稽古して」。霧島は3度も「稽古」を繰り返した。

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