中島啓太 ツアー本格参戦1年目で賞金王 天国の幼なじみのパワーもらい18番劇的イーグル

2023年11月27日 04:45

ゴルフ

中島啓太 ツアー本格参戦1年目で賞金王 天国の幼なじみのパワーもらい18番劇的イーグル
18番、チップインイーグルを決めた中島(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン最終日 ( 2023年11月26日    高知県 Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72 )】 ツアー本格参戦1年目の中島啓太(23=フリー)が賞金王戴冠を決めた。今季ここまで3勝を挙げ、獲得賞金は約1億7248万円に到達。最終戦の日本シリーズJTカップで逆転される可能性がなくなり、09年の石川遼、13年の松山英樹に次ぐ年少3番目となる23歳155日で賞金王の称号を手に入れた。プロ12年目の鍋谷太一(27=国際スポーツ振興協会)が通算14アンダーでツアー初優勝を飾った。
 劇的イーグルで賞金王争いに終止符を打った。勝負をかけた最終18番パー5。2オン狙いでグリーン右サイドまで運ぶと残り13ヤードのアプローチを直接カップに放り込んだ。ドラマチックなチップイン締めで一気に単独4位まで浮上。中島は天を仰いだ。うれしさからウエッジを握ったまま左腕を振り上げた。

 「もちろん優勝を目指していた。18番はイーグルを取って金谷さんとの差をつけたいということだけを考えてプレーした」

 シーズン中盤から熾烈(しれつ)な賞金王争いが続いた。この日決めるには同ランク2位につける金谷の上に行くしかなかった。最終日は2打差を追う展開から逆転した。「賞金王というより金谷さんとの戦いに勝つというつもりでした。最高の相手と勝負できました」。アマ時代から追って来た偉大な背中。ラウンド後は熱い抱擁をかわし、互いの健闘を称えあった。

 どうしても賞金王を決めたかった。9位まで順位を上げた前日の第3ラウンド後、家族ぐるみで仲良くしていた幼なじみの訃報を知らされた。「天国で見守ってくれていると信じていた。彼のパワーをもらって賞金王になれる自信はありました」。最後のイーグルには見えない力も感じた。狙いより少し左に跳ねたアプローチはきれいにスライスしてカップに消えた。「彼のためにこれは絶対に入れたいという感じで打った。あれは自分の力ではないと思います」とほほ笑んだ。

 アマ世界一の立場から昨秋、プロとなり一気に賞金王まで上り詰めた。海外ツアー参戦も夢見る23歳。次週の最終戦後には来季米下部ツアーの出場権を争う最終予選会も控える。「そこに向けて、志高くやっていきたい」と意気込む。日本のキングとなった自信を胸に秘め、世界に羽ばたいていく。

 ◇中島 啓太(なかじま・けいた)2000年(平12)6月24日生まれ、埼玉県加須市出身の23歳。東京・代々木高から日体大へ進学。元アマ世界ランク1位で21年9月史上5人目のアマV達成し、昨年9月にプロ転向。1メートル77、77キロ。家族は両親と姉2人。

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