サーフィン都筑有夢路「何でもかかってこい!」パリ五輪へ泰然自若 単独インタビュー

2023年12月05日 06:00

サーフィン

サーフィン都筑有夢路「何でもかかってこい!」パリ五輪へ泰然自若 単独インタビュー
五輪2大会連続メダルの懸かる24年パリ五輪へ展望を語る都筑有夢路 Photo By スポニチ
 サーフィン女子の東京五輪銅メダリストで、来年に迫ったパリ五輪では2大会連続出場と、さらに上のメダルを目指している都筑有夢路(22=木下グループ)。今月下旬には五輪最終予選を兼ねてプエルトリコで開催されるワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当、来年2月)の日本代表入りを懸けて、選考会(静波サーフスタジアム)に臨む第一人者が、4日までにスポニチのインタビューに応じた。
 「サポートしてくれる方々と、応援してくれる人に恩返しをしたいし、自分の中では(東京五輪の)リベンジ。次は銀メダル、金メダルを目指して、まずは選考会でも優勝を目指して頑張りたい」

 選考会が3週間後に迫る中、都筑は普段通りの穏やかな笑みを浮かべて語った。選考会は「大会」ではなく、あくまでクローズドで行われる審査会。しかも大会結果のみで代表選考が行われるわけではなく、過去の実績や直近の大会成績、世界屈指のタフな波で知られるタヒチ・チョープー(パリ五輪の会場)の適性などを総合的に評価されるため、都筑の絶対的有利は揺るがない。

 東京五輪銅メダルに加え、プロツアーでも最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)の昇格を争うチャレンジャーシリーズ(CS)に3季連続で参戦。11月にはCTから数えて3部に当たる予選シリーズでも2位、1位と好成績を残した。特に韓国で行われた直近の大会では、9点台(10点満点)を連発するなど強さを発揮。それでも「技術を見てほしい。(実績ではなく)そこで判断してもらいたい。サーフィン(そのもの)で選ばれたい」と自信を示した。

 1カ国あたりの五輪出場枠は、原則として男女各2。日本女子は松田詩野(TOKIOインカラミ)が事実上代表に内定しており、残る枠は1となっている。その予選を兼ねるWGも松田の代表入りが決まっており、残りは2枠。このたった2枠をめぐり、松田を除く都筑ら特定強化指定選手4人が争うことになるが、「緊張せずに、いつも通りやれたらいい。自分のサーフィンを見せたい」と話す。

 アジア勢1位なら条件付きで五輪代表に決まる今年5、6月のWGでの代表入りは逃した。「凄く悔しかった」と話す一方で、「焦りは特になかった」とも言う。自然現象である波との戦いであるとともに、時に気まぐれな波に乗るのか、さらなる大波を待つのかの判断を常に迫られ、自分との闘い、メンタルゲームでもあるサーフィン。「どこまで行っても自分との闘いのスポーツ。ワールドタイトルを獲りたい気持ちが強いので、そのために必要な経験だったと切り替えて、次に進んでいる」と常に視線は未来を向いている。

 東京五輪から2年と4カ月。「経験値が上がり、考え方が変わり、練習内容も変わった。自信はあるので、“何でもかかって来い!”という感じです」。常に人智の及ばない自然と向き合っている都筑は、泰然自若とした涼やかな目で、2度目の五輪までの道筋を見据えている。

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