ラグビーW杯4大会連続出場・堀江翔太 今季限りでの現役引退表明「優勝して終わりたい」

2023年12月07日 04:45

ラグビー

ラグビーW杯4大会連続出場・堀江翔太 今季限りでの現役引退表明「優勝して終わりたい」
ラグビーW杯フランス大会1次リーグ・アルゼンチン戦、タックルで相手を止める堀江 Photo By スポニチ
 ラグビーリーグワン1部の埼玉で日本代表フッカー堀江翔太(37)が6日、熊谷ラグビー場で会見し、9日に開幕する23~24年シーズン限りで現役を引退すると発表した。引退後の第二の人生では競技の枠を超え、アスリートのケガ防止やパフォーマンス向上をサポートしていくことも表明した。15年に首の大ケガから再起し、W杯4大会連続出場を誇る鉄人。優勝という花道を目指し、ラストシーズンが幕を開ける。
 かしこまったスーツ姿ではなく、開幕前の現役選手らしく、チーム公式のポロシャツ姿で登場した。堀江は開幕を3日後に控える中、今季限りでの現役引退を発表。「唐突ですが、今シーズンをもってラグビーを引退しようと思ってます。体力的には全然大丈夫だし、動ける状態。昨季よりもいいパフォーマンスを出せるようにしてます」。晴れやかな表情で打ち明けた。

 引退を決意したのは約1年半前だ。「(今秋の)W杯の結果が良かろうが、悪かろうが、このシーズンで引退しようと思っていた」。第二の人生として描く夢があった。ストレングス&コンディショニングと呼ばれる体の使い方やケガ防止方法の指導を目指すためだ。引退後は競技の枠を超え「ケガで苦しんでいる若い子たちに体の使い方を覚えればパフォーマンスが上がることを伝える。サッカーや野球、ゴルフも勉強したい」と話した。

 堀江自身、15年2月に首の大ケガで手術を受けたが、師事するアスレチックトレーナーの佐藤義人氏による施術と独自メソッドで早期復活。同年W杯イングランド大会での活躍につながった。重量をあげる筋力トレから「重くても(最大)20キロ」のバーベルを使用するなど筋肉の連動を重要視。今後はその知識を広めていく。

 ドレッドヘアを振り乱し、短パンをまくり上げるブルマスタイルも今季で見納め。FWとは思えぬランやパス、キックをこなすスタイルは唯一無二。特別なシーズンは10日の横浜戦(熊谷)から始まり「優勝して終わりたい」。試合終盤に登場して流れを変えることから“ラスボス”の異名を持つ男が、ラストシーズンに挑む。


 ≪同僚稲垣は感謝「存在大きさに気づく」≫ 埼玉のチームメートは、堀江の引退をこの日午前に伝えられた。長年、代表でもスクラムを組んできたプロップ稲垣は「入った時からずっと背中を見て育った。入団して2、3年は倒れたら“立てー!”って怒られてたのを覚えてる。(改めて)存在の大きさに気づく」と感謝。堀江と自主トレを共にしてきたSO松田は寂しげな表情で「まだ信じてないし、うそだと思ってる」と話しつつ「最後は優勝して送り出したい。堀江さんに人前で大泣きしてもらう」と誓った。

 ◇堀江 翔太(ほりえ・しょうた)1986年(昭61)1月21日生まれ、大阪府吹田市出身の37歳。小5でラグビーを始める。帝京大卒業後の08年にニュージーランドに渡り、FW第3列からフッカーに転向。09年に帰国し三洋電機(現埼玉)入り。09年11月のカナダ戦で日本代表デビューし、通算76キャップ。W杯には11年から4大会連続で出場。13年にはSH田中史朗と並び日本人初のスーパーラグビープレーヤーに。22年シーズンは初代リーグワンのMVPに輝いた。1メートル80、104キロ。

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