「看板のすげ替え」では…日大アメフト部廃部決定 遠い薬物汚染解明

2023年12月16日 04:44

アメフト

「看板のすげ替え」では…日大アメフト部廃部決定 遠い薬物汚染解明
日本大アメリカンフットボール部のグラウンド Photo By 共同
 【日大アメフト部廃部決定 】 【記者の目】一度廃部にしてから新体制の下で再スタートする。薬物に手を出した部員への処分と無関係な部員の救済を両立させようとすればそれしかないし、理解もできる。ただ、大事なことはそれが単なる「看板のすげ替え」であってはならないということだ。
 今回の問題は本来、急速に全国の学生スポーツ界にまん延しつつある薬物汚染の一つとして論じられるべきだったのに、舞台が「あの」日大アメフト部だったため、日大固有の問題として学校側の対応に批判が集中した。その一方で、歴史ある名門チームの部員たちがなぜ薬物に手を出したのか、なぜ誰も止められなかったのか、監督、コーチらの首脳陣はいったいどんな指導をしていたのか。事件の肝心な部分はまだ何も解明されていない。

 少子化の今、手っ取り早く大学をPRできるスポーツ部の重要性は高まる一方で、各校とも有力選手の獲得に血眼になっている。その流れの中でいつの間にか学校側とスポーツ部の立場が逆転してしまい、学校側が手を出せない“伏魔殿”のような存在になってしまっているチームも少なくない。

 学生スポーツはあくまでも教育の一環だ。日大に限らず、学校側が責任を持って部活動の指導に当たらない限り、薬物事件は今後も広がる一方だろう。 (編集委員・藤山健二)

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