【高校ラグビー】桐蔭学園の勝因は守備網整備の早さ チームの完成度感じた

2024年01月08日 04:50

ラグビー

【高校ラグビー】桐蔭学園の勝因は守備網整備の早さ チームの完成度感じた
<桐蔭学園・東福岡>優勝を飾り、歓喜の桐蔭学園フィフティーン(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【第103回全国高校ラグビー 決勝   桐蔭学園8ー5東福岡 ( 2024年1月7日    花園ラグビー場 )】 【砂村光信・視点】両校とも1トライずつというロースコアの決勝で、特に目を引いたのが桐蔭学園のディフェンス力だった。タックル後の起き上がりが非常に早く、常に人数で上回り、オーバーラップを許さなかった。ラックサイドのディフェンス整備も早い。大会屈指の得点力を誇った東福岡を1トライに封じた要因だろう。
 昨年度、花園出場を逃した桐蔭学園は“裏花園”と呼ばれるサニックスワールドユース予選会には出場せずに花園を見学。悔しさを心に刻みつけた。いち早く始動した新チームでは、ラック周りからグラウンド全体の状況を見極める目を養い、フィジカル面でも、とにかく倒れないことにこだわる練習を重ねたと聞く。決勝でもWTBの選手が相手FWに絡まれても前に出るシーンがあり、藤原秀之監督がつくり上げたチームの完成度を感じた。

 大会全体を通じても、今大会は個人技でトライを取り切るような超高校級の選手がいなかったが、組織ディフェンスのシステムが進化した裏返しだろう。シニアはもちろん、ジュニアや高校世代でも国際レベルではディフェンス重視のラグビーが世界の潮流であり、その意味では決して悲観することではない。

 最後に高松北(香川)が1回戦を勝ちながら、ケガ人が出て2回戦を棄権したことは、ラグビー界に一石を投じた。1県1校を堅持することに反対論もあるが、15人ギリギリでも花園で勝利できることを示した。

 普及のためにも重要で、強豪県からは記念大会のように常に複数校が出られれば、さらなる発展につながるのではないか。(元U―23日本代表監督)

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