スポクラ楢崎智亜 課題のリードを克服するため新たな体の動かし方を習得中

2024年02月28日 07:00

スポーツクライミング

スポクラ楢崎智亜 課題のリードを克服するため新たな体の動かし方を習得中
課題に取り組む楢崎智亜 Photo By 共同
 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者を取り上げるコラムの今回は、スポーツクライミングでパリ五輪代表の楢崎智亜(27)。前回の東京五輪では、金メダル候補と期待されながら4位に終わった。3年前の悔しさを同じ舞台で晴らすため、現在はリード対策で疲れにくい体の動かし方を習得しようとしている。

 昨年8月の世界選手権でパリ切符をつかんだ楢崎が、今季初戦として2月にボルダーとリードのジャパンカップに臨んだ。ボルダーは2位、リードは準決勝敗退。まだ調整段階とあって課題を残したものの、ボルダーを終えた後は「体は凄く良い感覚がある。今やっていることをコツコツ積み上げていきたい」と明るい表情を浮かべた。

 19年の世界選手権で複合種目を制し、金メダル候補と目された前回の東京五輪。大会が1年延期となったことで、さらにトレーニングを積み「圧倒的な状態で勝ちたい」という思いで臨んだ。だが、まさかの4位と不完全燃焼に終わった。パリ五輪では複合種目からスピードがなくなり、ボルダーとリードの2種目に。得意とするボルダーを極める以上に、課題のリードと近年は向き合ってきた。

 21年12月に、東京五輪で銅メダルを獲得した野口啓代さん(34)との結婚を発表。現役を退いた妻のアドバイスもあり、昨年11月からは新たな体の動かし方を習得しようとトレーニングを積んでいる。「より効率的に動けるように。例えば、手の力で振って回るのと、背骨周りの細かい筋肉で回るのとでは疲れ方が違うので」。到達した高さを競うリードでは、筋肉の持久力も問われる。省エネを目指し、より体の中心に近い部分で体を動かせるようにするため、トレーナーらに指示を仰いできた。

 「体の使い方を変えると、前にできていたことができなくなる可能性もある。リスクはあるけど、それを変えていかないとリードを劇的に良くするのは難しい」。全ては東京での屈辱を晴らすため。昨年5月には第1子となる女の子が誕生し、パパとしての自覚も十分だ。「もちろん金メダルを目指している。(子供に)かっこいい姿を見せたい」。家族の存在も力に、5カ月後に迫った大舞台へと向かう。

 ◇楢崎 智亜(ならさき・ともあ)1996年(平8)6月22日生まれ、宇都宮市出身の27歳。小学5年で競技を始め、高い身体能力を生かして16、19年にボルダーでW杯年間総合と世界選手権を制した。21年の東京五輪は4位。宇都宮北高出身。1メートル70。

おすすめテーマ

2024年02月28日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム