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“泣き虫”ゴルファー中島啓太 パリで流した涙を、今度はメダルに「結果で恩返し」8・1競技開始

2024年07月31日 04:30

ゴルフ

“泣き虫”ゴルファー中島啓太 パリで流した涙を、今度はメダルに「結果で恩返し」8・1競技開始
色紙に抱負を記すゴルフ五輪代表・中島啓太 Photo By スポニチ
 8月1日に競技が始まる男子ゴルフで五輪に初出場する中島啓太(24=フリー)は「恩返し」のメダル獲得を誓う。15歳から8年間、日の丸を背負ってきた日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームの申し子。30日までに本紙の単独取材に応じ、同チームヘッドコーチのガレス・ジョーンズ氏(52)らと再タッグを組むことを明かした。
 パリで流した悔し涙を、中島は忘れていない。男子世界アマチュアランクNo・1に君臨していた2年前の初秋。満を持して迎えたナショナルチームとしての最終戦、世界アマチュア選手権で個人53位、団体7位と惨敗した。最終ホールでパットを打つ時から涙があふれたゴルフナショナルで、再び日の丸を背負って戦う。

 「最後に日の丸を背負ってプレーして号泣した記憶がある。試合前に体調を崩して調子が最悪の時の大会だった。悔いは残っていないとしても結果は悔しかった。リベンジしたい。やっぱり、特別な気持ちは入るのかな」

 15歳でアマチュア日本代表にあたるナショナルチーム入りし、そこから8年間日の丸を背負ってきた。21、22年と世界一のアマ選手の称号「マコーマックメダル」を男子で初めて2年連続受賞。「自分のゴルフ人生の半分をナショナルチームで過ごしてきて、そこで成長できた。その時間は大切に思っています」と思いは強い。

 主戦場の欧州ツアーは基本的にキャディーと転戦しているが、五輪は信頼を寄せる同チームのスタッフと再タッグを組む。ガレス・ジョーンズ氏とトレーナーの栖原弘和氏(39)らが同行。「結果で恩返しできるように全力で頑張りたい」。そう言葉に力を込めた。

 各国原則2人が代表のゴルフ競技は、60人による個人戦で争う。ゴルフ最高峰の舞台、マスターズ覇者である松山英樹がもう一人の日本代表だ。チームメートであり、メダルを争うライバルでもある。尊敬する存在だからこそ24歳は、「勝ちたい」と言い切った。

 コース上ではクールな中島だが、涙もろい一面も知られる。「今はだいぶ落ち着いて、そんな泣き虫じゃないですよ」。涙のナショナルチーム“卒業”から2年。日本ツアーで賞金王に輝き、欧州ツアーでも勝利を挙げて同じ舞台に帰ってきた。思い出の地で、日本男子初となるメダルを獲得できたら――。「やばいと思います」。最終18番グリーンで今度はうれし涙を流す。 (中村 文香)

 ◇中島 啓太(なかじま・けいた)2000年(平12)6月24日生まれ、埼玉県加須市出身の24歳。東京・代々木高を経て日体大。元アマ世界ランク1位で21年9月に史上5人目のアマVを達成し、22年9月にプロ転向。日本ツアー本格参戦1年目の23年には賞金王に輝いた。24年に主戦場を欧州ツアーに移し、3月のヒーロー・インディアンオープンで優勝。日欧通算5勝。1メートル77、75キロ。家族は両親と姉2人。

《東京大会で4位の松山「3年前以上の結果を」》
 ○…松山と中島が29日、会場で記者会見に出席した。21年東京大会でプレーオフの末に4位だった松山は「メダルを獲れなかった悔しさは今でも覚えている。3年前以上の結果を必ず出せるよう頑張りたい」と意気込んだ。1月にIOCに提出された次回大会以降での男女混合団体戦の提案について質問が飛ぶと、「面白いと思う。国を背負っていることを感じると思う」と語った。初出場の中島は「代表に選ばれたのはかなりうれしかった。自覚を持ってプレーしたい」と抱負を口にした。

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