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柔道の“追究者”永瀬貴規 国際大会で勝てずもがき苦しんだ3年 レジェンド2人に肩を並べたパリの歓喜

2024年07月31日 00:52

柔道

柔道の“追究者”永瀬貴規 国際大会で勝てずもがき苦しんだ3年 レジェンド2人に肩を並べたパリの歓喜
合わせ技一本で五輪連覇を達成した永瀬(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【パリ五輪第5日 柔道 ( 2024年7月30日    シャンドマルス・アリーナ )】 男子81キロ級の永瀬貴規(旭化成)が30日、決勝で世界選手権3連覇中のタト・グリガラシビリ(24=ジョージア)に一本勝ち。同級五輪史上初の連覇を達成した。日本柔道での五輪連覇は、今大会の男子66キロ級・阿部一二三(26、パーク24)に続く日本柔道史上9人目。30歳で迎えた3大会連続となる五輪の舞台でも「永瀬の柔道」を貫き、歓喜の金メダルを手にした。
 東京五輪で金メダルを獲得してから3年。連覇だけを見据えてパリに降り立った永瀬が、再び五輪で頂点に立った。5大会連続の谷亮子、3連覇の野村忠宏に続く、日本勢3人目の3大会連続メダル。金メダルで日本柔道が誇るレジェンドに肩を並べたパリ五輪となった。

 男子のパリ五輪代表では唯一の3大会連続出場。過去にも史上唯一の3連覇を達成している野村忠宏、92年バルセロナ五輪金メダルの古賀稔彦ら、レジェンド級の柔道家のみがたどり着いた高みに、男子屈指の激戦区で国際大会ごとに優勝者が目まぐるしく変わる81キロ級でたどり着いた。

 「まだ信じ切れていないけど、ここまでやってきて、間違えてなかったなと思う。ずっと勝てない時期が続いて、つらい日々で…。本当にたくさんの人に感謝したい」

 膝の大ケガを乗り越えた東京五輪同様、この3年間の道のりも、決して順風満帆ではなかった。「なかなかうまく行かないことばかりだった」と振り返るように、東京五輪から復帰初戦となった22年4月の選抜体重別は制したものの、国際大会では勝ち切れず。3度目の五輪も23年世界選手権3位という結果で決め、気持ちはもどかしいままだった。

 ただ今代表で誰よりも五輪を知る男は、7月30日にピタリとピークを合わせた。3月末には五輪前最後の実戦で2年ぶりの国際大会優勝。色紙などに好んで書く言葉は「追究」。奥深く、五輪を制してもまだまだ学ぶことが多い柔道を究めたい。東京五輪で金メダルを獲得した直後の8月から稽古を再開した男は、たゆまぬ努力と「追究」で、パリの表彰台の一番高い所にたどり着いた。

 ◇永瀬 貴規(ながせ・たかのり)1993年(平5)10月14日生まれ、長崎県出身の30歳。長崎日大高、筑波大を経て16年4月から旭化成所属。6歳で地元の養心会で柔道を開始。13年に講道館杯、14年に選抜体重別選手権を初制覇。順調に実績を積み、2度目の出場だった15年世界選手権で初の世界一。16年リオデジャネイロ五輪は3位、21年東京五輪は金メダル。

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