スポキャリスポキャリ

【スポニチ×スポキャリインタビューvol.19】鶴見直城さん(中部大学ラグビー部部長)

2022年03月08日 18:30

スポーツ

【スポニチ×スポキャリインタビューvol.19】鶴見直城さん(中部大学ラグビー部部長)
中部大ラグビー部 鶴見直城部長 Photo By スポニチ
 学生のこと、就活のこと――指導者 にきいてみた。
 鶴見直城さん(中部大学長室次長、同大ラグビー部部長)

 中部大のラグビー部部長を務める鶴見直城さんは、大学の学長室次長としても多忙な日々を送っている。

 学生時代は岐阜・岐山高校から中部大に進学。
 
 一時はバスケ部に所属したが「長続きしませんでした。どちらかと言うと、仲間内で活動するスポーツサークルでバスケやバドミントン、ソフトボールに興じることが多かった」。興味は東アフリカで使われるスワヒリ語、そしてアフリカそのものに移っていった。

 大学2年のときにケニア、タンザニアなどをひとりで旅行。

 「将来はアフリカを舞台に仕事がしたい」と就活でも、自らテーマを掲げ、知名度よりもアフリカでの実績で企業をピックアップ。途上国を中心に活動しているコンサルタント会社に就職した。

 その後、国際関係学の博士号取得のために大学院に進み、縁あって中部大に就職。

 ラグビー部が外国人監督を招へいしたのに伴い、コミュニケーションができる鶴見さんが部長に就任。キャリアが作ったラグビーとの出会いだった。


 [聞き手]岡 泰秀(株)スポキャリ取締役会長。
 昭和50年(1975年)生まれ。京都成章高-大阪体育大。
 99年4月(株)大阪近鉄バファローズに入社。監督付き広報、2軍チームマネジャーほか、球団社長室に所属し、肖像権委員会、広報業務などに携わる。
 近鉄球団の整理を担当しながら、オリックスバファローズや東北楽天イーグルスの設立に携わり退社。
 09年にスポーツマネジメント会社「スポーツカンパニー」設立。上原浩治(元巨人)、建山義紀(元日本ハム)らの日本側の代理人を務め、清水直行(元ロッテ)らの事業コンサルを務めた。
 04年よりプロスポーツ昭和50年会を立ち上げ、幹事長を務める。05年より大阪体育大学硬式野球部の助監督を務めた(~17年)。16年からは阪神大学野球連盟の常任理事。


 ――専門分野でもあるコミュニケーション能力が就活でも重要視されている。うまくコミュニケーションするコツはあるのか。

 「ちゃんと話せる学生、しっかりコミュニケーションできる学生は社会に出てからも伸びている印象がある。ウチの部では試合前にジャージーを渡すミーティングで一人ずつ部員の前で話をさせている。頑張ります、だけじゃなく、こういう練習をしてきたから、今度はこんな試合をしたい、と具体的な目標、数値を設定させるクセをつけている。人前で話をする機会をどんどん設けていくことが、コミュニケーション能力を伸ばすことにつながると思っている。ただ元気よく話すことが体育会系のコミュニケーションだと思ってほしくない。考えをしっかりまとめるクセは就活でも必要です」

 ――就活に臨む学生にどんなアドバイスをしているのか。

 「ほとんどの学生が何からすればいいんですか、という次元からスタートする。まだ、自分がどんな職業、どんな分野に向いているのは普通は分からない。それは仕方ない。だからこそ、いろんな会社が集まるセミナーとかに積極的に参加して、一度聞いてみる。そんな行動が必要だと思います」


 ――こうすればいいという、決まったパターンはないんですね。

 「学生が100人いれば、100通りの考え方がある。就活だって、これが正解というものはない。100通りの就活がある。会社の名前で決めるんじゃなく、セミナーや企業説明会、大学のキャリアセンターとか使えるものをしっかり使って、企業研究をしっかりしていくことは大事だと思う」

 ――4年間のスポーツの経験を就活にどう生かしていけばいいのでしょうか。

 「大学でスポーツの部活に取り組むのは相当な覚悟がいることだと私は思っている。高校からラグビーを始めたという学生が多い。7年間もひとつのことに打ち込んでいる。その継続の力は信じられるものになる。ラグビーでも野球でも、苦しい練習にどう耐えて、故障を克服し、チーム内の競争にどう取り組んだか、その中で何を得たか。それを伝えることがスポーツをやっていた学生の武器になるんです。続けてきたことに自信を持って、向かっていってほしい」

 ――就活は難しいもの、厳しいものだと考える学生も多いと思うが。

 「練習でできないことは、当然試合でもできないことをスポーツの中で経験したと思う。それは就活にも通じる。自分たちがやった分しか返ってこない。やった分は返ってくる。やらなかったら返ってこない。そういう世界。就職してからも一緒。だからこそ、準備はしっかりとしてほしい」

 ――内定が早く出る学生もいれば、なかなかもらえない学生もいて、勝者と敗者みたいに分かれるが、思うようにいかないときのアドバイスを。

 「挫折感を味わうこともあると思う。何社受けてもダメというときには、どこかでミスマッチしていることが多い。私は履歴書をもう一度チェックする。スポーツに特化した書き方にしたり、企業のジャンルを変えたり、学生と一緒に原因を解明している。自分で悩まずに、仲間、先生、指導者に聞いてみること。意外なところから道は開けるものです」

 ◆就活のためのキーワード
 (1)面接などで必要とされるコミュニケーション能力を鍛えるために、どんな形でもいいから人前で話をすることを、どんどんやってみよう。数を経験することで、考えを頭の中でまとめるクセをつけることができる。

 (2)就活に正解というものはない。会社の名前で決めるんじゃなく、セミナーや企業説明会、大学のキャリアセンターとか使えるものをしっかり使って、企業研究に取り組む準備が大事になる。

 (3)うまく行かなくても悲観するな。どこかでミスマッチしていることが理由かもしれない。自分で悩まずに、仲間、先生、指導者に聞いてみよう。ひとつのきっかけで変わることがある。

コラムランキング

バックナンバー

【楽天】オススメアイテム