甲子園優勝二塁手 早大退学 社会人野球で復活へ

2010年03月16日 11:23

野球

 静岡・常葉菊川高時代に二塁手として07年春のセンバツ優勝、08年夏の選手権準優勝など甲子園で数々の実績を残した早大の町田友潤さん(19)が15日、都市対抗野球3度の優勝を誇る社会人野球の名門・ヤマハ(浜松市)に入社内定していることが分かった。既に同大の野球部を退き、今月中にも中退。4月1日付でヤマハの社員となり、県野球協会への選手登録とチーム合流はJABA静岡大会(4月2日開幕)以降になる見込みだ。
 名手が、再びグラウンドに帰ってくる。一度は野球から身を引いた町田さんに手を差し伸べたのが、第65回JABA東京スポニチ大会(19日から千葉マリンスタジアムほか)を控える地元のヤマハ。母校の常葉菊川で準備を整えながら「拾っていただいて本当に感謝しています。静岡に戻ってこられてうれしい」と最高の笑顔を見せた。
 高校時代は2年春から4季連続甲子園出場を果たし、優勝、ベスト4、ベスト16、準優勝。全国屈指の二塁手として輝かしい実績を残し、本紙「プロが選ぶベストナイン」に2度も名を連ねた。3年夏には日本高校選抜の一員としてブラジルに遠征。卒業後は胸を張って早大野球部入りしたが、体質が合わずに昨夏前には部を離れた。
 授業を受けるだけの下宿先と学校の往復に「毎日が楽しくなかった」と、精気を失いかけていた町田さんに転機が訪れたのが2月中旬。菊川時代の同僚でヤマハ期待の左腕・戸狩聡希投手(19)に、高柳信英監督(57)が「今、町田はどうしているんだ?」と聞いたのがきっかけだった。“球際の魔術師”のような、あの華麗なプレーは鮮明に脳裏に焼き付いている。「あいつ自身、もう一度野球をやりたいそうです」との戸狩の言葉に指揮官の迷いはなかった。
 町田さんは「監督さんから“野球やるなら受け皿があるよ”と電話を頂き、本当にビックリした」。当時の気持ちは「7―3」だったが、最後は甲子園準優勝した同期のメンバー全員から「やってほしい」と背中を押され、腹を決めた。「ヤマハは大企業。仕事もあるので、責任を持ってやる。夢は日本一」。仕切り直しの人生がスタートする。

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