“高めの判断力”松井 新天地で初打点

2010年03月16日 06:00

野球

“高めの判断力”松井 新天地で初打点
<エンゼルス・カブス>2回 1死 一、三塁 中前タイムリーを放つエンゼルス・松井
 【エンゼルス7-8カブス】エンゼルス・松井秀喜外野手(35)が14日(日本時間15日)、オープン戦初打点を挙げた。カブス戦に「4番・DH」で先発出場し、2回1死一、三塁から詰まりながらも中前適時打。犠飛を意識したチーム打撃が奏功した。もう1人の4番候補のモラレスがこの日オープン戦初本塁打を放つなど好調な中、松井も10打席ぶりの安打で定位置死守へ意地を見せた。
 2回1死一、三塁。置かれた状況から松井が導き出した答えは、シンプルなものだった。
 「走者三塁ですから外野フライをと。内野ゴロの併殺は一番よくないから多少は意識しますね。シーズン同様の打撃?それはいつも一緒です」
 ゴロになりやすい低めは捨て、高めに目線を合わせて飛球を狙った。カウント1―0からの2球目。内角高めの89マイル(約143キロ)直球を詰まりながらも中前へ。オープン戦10打席ぶりの安打は出場5試合目で初のタイムリーとなった。
 前日までの10打席で9打数1安打。そのうち6個は内野ゴロで「頭と体が一致していない。脳から体に信号がうまく伝達できていない」と上体が突っ込む場面が目立った。確率を上げるため、できるだけ球を呼び込みつつ、その上で飛距離を出すのが松井の理想の形。ハッチャー打撃コーチは「最後まで球を見ていいスイングをしていた」と上昇の気配を見てとった。第1打席の一ゴロは芯でとらえた当たりで、第3打席も二ゴロだったが「そんなに崩されていない。全体的に内容もよかった」と手応えを強調した。
 ソーシア監督は「松井が出れば得点能力が上がる。彼に望むのは、毎日試合に出てスイングをすること」と中軸で常時打点を稼ぐことを期待している。しかし、4番が保証された訳ではない。昨季打率・306、34本塁打、108打点の26歳の5番モラレスが、この日オープン戦初本塁打。出場6試合で打率・375、4打点と好調だ。
 前日のロイヤルズ戦では松井3番、モラレス4番というオプションも試された。オープン戦とはいえ、移籍1年目だけにそろそろ結果も求められてくる。「いい1日になった気がします」は松井の偽らざる本音だろう。この日、9558人収容のディアブロ・スタジアムは今年最多の8838人を動員。赤ゴジラは多くの観客の前で4番としての「勝負強さ」を印象づけた。

 <16日ド軍戦で恩師と再会>松井は15日(日本時間16日)のドジャース戦で、ヤ軍時代の恩師、ド軍トーリ監督と対面する。昨年11月のイベントで両者は顔を合わせたが、松井のエ軍移籍後は初めて。トーリ監督はこの日夜に台湾遠征からキャンプ地に戻ったばかりで、15日の同戦で指揮を執るかは微妙だが、試合には姿を見せる予定。松井は恩師からどんな言葉を掛けられるか注目だ。

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