阪神・秋山、雪辱の二刀流!8年ぶり完封&1号 2度の涙報われた

2018年05月09日 07:30

野球

阪神・秋山、雪辱の二刀流!8年ぶり完封&1号 2度の涙報われた
4回2死、秋山は左越えにソロ本塁打を放つ Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神9―0巨人 ( 2018年5月8日    東京D )】 阪神・秋山拓巳投手(27)が8日の巨人戦に先発し、9回5安打9奪三振で8年ぶりの完封勝利を挙げた。バットでも2回に2試合連続の適時打を放ち、4回には左翼越えソロを放ち2安打2打点と投打で大暴れ。伝統の一戦での完封&本塁打は82年の山本和行以来、球団2度目の快挙。歴史的なワンマンショーで、若き大黒柱が笑顔を咲かせた。
 決断は「主役」に委ねられた。8回を投げ終えた時点で今季最多の113球を投じ、スタミナは、もう限界に来ていた。

 「本当に飛ばしていてバテてた。(続投か)選ばせてくれたので。即答はしなかったですけど(監督に)“行かせてください”と」

 9回は1死から左中間フェンス直撃の当たりを放ったゲレーロを、野手の中継プレーで三塁で刺した。「良い守りに助けられて、絶対に完封すると」。マギーを遊ゴロに仕留め、27個目のアウトを奪った。2戦連続完投ながら、前回1日のDeNA戦は完封目前の9回に失点。“2度目の正直”で8年ぶり完封勝利をつかんだ。

 「伝統の一戦」で流した2度の涙が、この夜、報われた。昨年9月20日、甲子園で菅野と投げ合った一戦は2回までに2失点。追加点を与えず6回まで投げきったが、チームは、相手エースに零敗を喫した。6回の攻撃で自身に代打が告げられると、タオルで顔を覆った。頬を伝う熱いものがあった。

 「泣いてしまいました。悔し涙ですね…。菅野さんと投げ合って、初回に失点してしまって、まずいなと思ってたんですけど。結果的にああいう負け方で本当に悔しくて…」

 そして、8年前。10年8月21日は、この日と同じ東京ドームのマウンドだった。高卒新人では球団史上初となる巨人戦でのプロ初登板初先発の試合は1点リードの6回に逆転を許し、プロ初黒星。降板後は目を赤くし、ベンチで号泣していた。時を経て、立ちはだかってきた巨大な壁を、突き破りたかった。

 「満遍なく良かった。左(打者)へのカーブもフォークも良かった。(完封が)8年ぶりは本当に恥ずかしいことなんですけど」

 直球を軸に、緩急を生かした投球で三塁を踏ませなかった。今季も巨人に2戦2敗。息を荒くしながら、執念で投じた127球でリベンジを果たした。

 バットでは、2回1死満塁で左前適時打を放ち、4回には左翼へ投手では12球団トップを切る1号ソロをたたき込んだ。それでも「ホームランは、おまけにしといてください」と素っ気ない。投手として生きる右腕は二刀流にも「無理です」と首を振った。

 「(前回の完投と)2回良いことがあったので、気を引き締めて、後悔しないように準備したい」。立ち止まることなく、主役は、すでに前を向いていた。 (遠藤 礼)

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