西武・山川12球粘り勝ち弾 絶不調から復活のろし「最後に甘い球」

2018年05月30日 05:30

野球

西武・山川12球粘り勝ち弾 絶不調から復活のろし「最後に甘い球」
<広・西>5回2死、山川は左越えにソロ本塁打を放つ(撮影・坂田 高浩) Photo By スポニチ
 【交流戦   西武7―3広島 ( 2018年5月29日    三次 )】 14年目を迎えた日本生命セ・パ交流戦は29日に開幕し、パ首位の西武がセ首位の広島を7―3で下した。山川穂高内野手(26)が5回に8試合ぶりとなる14号ソロ。交流戦初安打を含む猛打賞の活躍でチームの連敗を3で止めた。4番の復活弾で突き放し、首位対決に快勝。辻発彦監督(59)も緒方孝市監督(49)との佐賀県出身同士の対決を制した。
 1球ごとに、三次のスタンドを真っ赤に染めた広島ファンがどよめく。1点リードの5回。山川はフルカウントからファウル、またファウルと必死に食らいつく。直球、スライダーを5球連続ファウルして粘った後の12球目。ついに内角直球を捉えた。左翼席へ8試合ぶりの14号ソロ。復活ののろし。4番が長いトンネルを抜けた。

 「届くボールをカットして、最後に甘い球を仕留められた」。3、4月の月間MVPに輝きながら、5月はこの試合まで打率・192の大不振。心が折れそうになっても、山川は己の信念を貫き通した。とにかく、振る。初回2死二塁では先制の左前打。プロ5年目だが交流戦は過去5試合の出場しかなく8打数無安打で、これが初安打&初打点だった。

 「交流戦はデータもない。自分の打撃で勝負するしかないんで」。4回無死での右前打と合わせて5月初、今季3度目の猛打賞。この日の球宴のファン投票第1回中間発表では一塁手部門で1位になった。いまだ経験のない球宴の舞台。「1番はうれしいけど…。しっかり打って選ばれたい」。まさに1位御礼の大爆発だった。

 マン振り、命。これこそが山川の美学だ。ナイターの試合後でも、室内練習場に足を運んでバットを振る。辻監督から「たまには休んだらどうだ?」と言われても、「日々全力でやるしかない。それしか(方法が)分からない」。自分、不器用ですから――。練習では試合より15グラムも軽い905グラムのバットを手に、ブルンブルンと振りまくる。「試合では(バットが重くても)アドレナリンが出るから。僕は練習から思い切り振りたいんです」。左のソフトバンク・柳田と双璧のフルスイング。これだけ振る選手はセ・リーグには皆無だろう。

 チームは3連敗でストップし、貯金は再び2桁の10。交流戦は5年ぶりの白星スタートとなった。昨季の交流戦開幕時、山川は2軍にいた。「初めてなんで。ある意味、新鮮です」。復活の雄叫びを上げた主砲が、ここから「セ界」の投手陣を震え上がらせる。 (鈴木 勝巳)

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