島人の星だソフトBドラ4大野稼頭央 「和田さんや杉内さんのような」左腕エースに

2022年10月26日 05:00

野球

島人の星だソフトBドラ4大野稼頭央 「和田さんや杉内さんのような」左腕エースに
奄美大島グッズを持ち笑顔の大野(撮影・福井 亮太) Photo By スポニチ
 左腕エース道を駆け上がる!ソフトバンクからドラフト4位指名された鹿児島・大島の大野稼頭央投手(18)が24日、奄美市内の同校で指名あいさつを受けた。福山龍太郎アマスカウトチーフ(46)からは左のエース候補として期待された。最速146キロの真っすぐを磨き、奄美大島の高校から初のプロ野球選手となった自覚を胸に島人(しまんちゅ)の星となる。
 スカイブルーの海と大自然に囲まれた離島でドラフト4位指名された大野は、2人の大投手の背中を追う。名を挙げたのは球団歴代の左腕エースだった。

 「まずは体をつくって、和田さんや杉内さんのような偉大な投手と肩を並べられるようになりたい」

 身長1メートル75、体重65キロ。決して大柄ではないが、ポテンシャルは高い。全国の高校生左腕でトップランクと評価した福山アマスカウトチーフは「これだけ投げ抜く力がある子は久しぶりに見た。和田投手や杉内投手といった左腕エースと呼ばれた人間たちは、みんなそう言われて乗り越えてきた。大投手になれる要素はある」と明るい将来を描いた。

 杉内は05年、和田は10年と16年に最多勝を獲得。大野にも重なる姿がある。生粋の先発完投型。2年秋の九州大会で興南(沖縄)を完封して一躍プロから注目を受けた。今春選抜では明秀学園日立に1回戦で敗れた。それでも「自分の意識の中で完投は当たり前」と今夏の鹿児島大会では全6試合49イニングを一人で投げ抜くタフさを見せて準優勝。爽やかな18歳だが、マウンドに立てばひょう変。あと一歩で夏の甲子園を逃したが、鬼の形相で打者に立ち向かい、雄叫びを上げる姿は大物の風格を感じさせる。

 胸にあるのは島への感謝だ。人口約6万人の奄美大島。街を歩けば祝福の言葉を掛けられるほどの“スター”になった。「ずっと島でプレーしてきて、みなさんに支えられてきた。1軍で活躍して島の人が頑張れるきっかけをつくりたい」と恩返しを誓う。

 これまで一度もプロ野球を生で見たことがないという大野。奄美大島の高校からは初のプロ野球選手となり、「早く1軍で投げて本拠地に招待したい。最多勝のタイトルを獲ることを目標としてやっていきたい」。昨年、世界自然遺産に登録された美しい故郷で育った小さな左腕が島人(しまんちゅ)の星となる。(福井 亮太)

 ◇大野 稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島県奄美大島の龍郷(たつごう)町出身の18歳。「稼頭央」は父がファンだった西武監督の松井稼頭央氏が由来。小3で龍郷野球スポーツ少年団で野球を始める。中学では龍南中の軟式野球部に所属。高校では2年春から背番号1。甲子園は3年時の今春選抜に出場し、1回戦で明秀学園日立に敗退。今秋のドラフト会議でソフトバンクが4位指名。入団すれば奄美大島の高校出身者では初のプロ野球選手。1メートル75、65キロ。左投げ左打ち。同島出身では昨秋ドラフトでも楽天4位で泰勝利(たい・かつとし=神村学園)が指名されている。

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