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1回KOでも「次も先発行こうぜ!」 仙台育英の最速147キロ左腕・仁田陽翔が信頼される理由

2023年03月23日 18:15

野球

1回KOでも「次も先発行こうぜ!」 仙台育英の最速147キロ左腕・仁田陽翔が信頼される理由
<第95回選抜高校野球大会 第4日 慶応・仙台育英> 仙台育英先発・仁田(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【第95回選抜高校野球大会第4日・2回戦   仙台育英2―1慶応 ( 2023年3月21日    甲子園 )】 昨夏の甲子園大会で東北勢初の優勝を成し遂げた仙台育英(宮城)は夏春連覇に向け、劇的勝利で発進した。21日に行われた慶応(神奈川)との初戦は1―1の10回2死満塁、山田脩也主将(3年)が左翼線にサヨナラ打。3回戦進出を決めた。
 
 自身2度目の甲子園は甘くなかった。今大会最強投手陣を擁する仙台育英の先発は最速147キロ左腕でプロ注目の仁田陽翔(3年)に託された。だが、試合前から強さを増した雨でぬかるむマウンドに苦戦。制球が定まらず1回1/3を1安打3四死球。無失点だったがピンチを広げたところでエース右腕・高橋煌稀が救援登板した。チームは劇的勝利するも、この日の天気のように仁田の表情は晴れなかった。
 
 「他の投手がちゃんと投げているので、雨は言い訳にできないと思っています。なかなか修正できなかった。次こそはと思っています。ここで落ち込まず前を向いてやっていきたいと思います」

 調子に波がある仁田。好調時は直球が何度も145キロを超え、スライダーで空振りを量産する。今年の練習試合解禁日だった3月4日の神戸弘陵(兵庫)戦では7回を1安打無失点で13三振と圧巻の投球。視察した楽天スカウトも絶賛していた。雨によってリズムが乱れて甲子園で本来の投球を披露することができず。それでもチームからの信頼は不変だ。

 試合直後、打線の軸である4番・斎藤陽(3年)はこう言った。「あれはプロです。本当にスゴイボールを投げる。きょうはダメだったんですけど、一番良いボールを投げるんです。次の試合は期待して見ていてほしい。切れがヤバいです。スラ(イダー)もスト(レート)も切れが一番良い。仁田は素晴らしいピッチャーなので守っていて安心できます」

 そしてきょう23日、オンライン取材に応じた須江航監督は言った。「次も(仁田)先発で行こうぜ!って感じですね。良いところもありましたし、彼の持っている力は“こんなもんじゃない”ってここまでの結果で証明しているので、一戦のパフォーマンスの低さで何かを諦める必要は全くないと思います」

 光り輝くポテンシャルを備える岩手県大船渡市出身の左腕。次戦は27日、龍谷大平安(京都)との3回戦。信頼に応える投球を見せることができるか。(柳内 遼平)

 ◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の17歳。猪川小3年から猪川野球クラブで野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。好きな言葉は「平常心」。1メートル75、74キロ。左投げ左打ち。

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