ソフトバンク・栗原陵矢が戻ってきた― インタビューで明かした胸中 4番、三塁、リハビリ、打倒・オリ…

2023年03月31日 09:00

野球

ソフトバンク・栗原陵矢が戻ってきた― インタビューで明かした胸中 4番、三塁、リハビリ、打倒・オリ…
バットを手に今季の活躍を誓う栗原(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 栗原が戻ってきた――。ソフトバンクは、きょう31日に開幕戦(対ロッテ、ペイペイドーム)を迎える。昨年3月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で左膝前十字じん帯断裂などの大けがをした栗原陵矢内野手(26)は、約1年ぶりの公式戦復帰。シーズンを棒に振った昨季、チームはオリックスと同率ながら優勝を逃す屈辱を味わった。9年目の今季、オープン戦では首位打者、本塁打、打点は2位タイと絶好調。「4番・三塁」での起用が濃厚だ。鍛え上げた肉体の一部を披露するとともに負傷、リハビリ、そして今を、明かした。 (取材・構成=井上 満夫)
 ――リハビリと並行し、ウエートトレーニングも徹底。マッスル化したが。
 「体重を増やして筋肉にしましたけど、ちょっと最近(オープン戦中に)体重が落ちてきたかなと。ちょっと何とかしないとな、とは思っていますね」

 ――昨オフには米国のリハビリ&トレーンニング施設に単独で武者修行。どんな変化、効果が出てきたか。
 「何かこう、もっと本当に野球に対してストイックに向き合えると思いましたし、もっとうまくなりたいなと思いましたね。言葉ではなくプレー、トレーニングしてるときに(現地選手らと)違うなと思いましたね」

 ――オープン戦では結果は出ていた。23年型の打撃は完成か。
 「いい形は続けられてはいますが、仕上がりは、まだ分かりません。今は結果とかだったりではなく、投手の見え方とか。そのへんですね。安心は、どれだけ結果が出てもできない。シーズンでどうかは分からないし、いつ開幕してもいいように準備はした。そこは変わらないですね」

 ――20年以来のリーグ優勝、日本一に向けて球団も大型補強に成功した。目玉は近藤&オスナ。両者はどんな存在か。
 「近藤さんは、まあ、天才ですね、はい。変化が生まれるというより、近藤さんや柳田さんのあとに打つ選手が凄い大事になるんじゃないかなと思う。(オスナは)ピッチングが凄いというよりも、どの試合でもチームを鼓舞し続ける姿が凄いんです。気持ちで負けていない、その凄さを感じますね」

 ――昨季は5番で開幕した。オープン戦終盤は4番に座った。打順へのこだわりは。
 「いやいや、関係ないです。打順は全然、関係ない。何番でも一緒ですね」

 ――守りでは三塁手に転向。ホットコーナーの奥深さとは。
 「やっぱり難しいですね。ずっと守っていっても難しいんでしょうね。奥が深いというよりも、打球が速い。即座に反応し、判断する難しさを凄く感じる。失点につながりやすい。そこはもっと、丁寧にやらないといけないなと思います」

 ――副主将として、打倒オリックスに向けてはどうか。
 「もう、どのチームもですけど、優勝のためには勝たないといけない。そのために貪欲にやりたいと思う」

 ――柳田主将からは何か言われるのか。
 「いや全然、何も言われていないですよ」

 ――最後に目標を。
 「やるんだの気持ちだけです。終わるまで、フル出場で出たい。ずっと(三塁に)いたい。それがこだわりです。(目標)数値は掲げないです、はい」

 ◇栗原 陵矢(くりはら・りょうや)1996年(平8)7月4日生まれ、福井県出身の26歳。春江工(現・坂井高)では1年秋に神宮大会、2年春にセンバツ出場。3年夏にU18日本代表に選出され、主将を務めた。14年ドラフト2位で捕手として入団し17年に1軍初出場。21年に初の全試合出場を果たし同夏の東京五輪では日本代表として金メダル獲得に貢献。背番号「31」を22年に「24」へ変更。昨季まで「自称」だった副主将も今季から正式に任命された。1メートル79、82キロ。右投げ左打ち。

【取材後記】
 絶妙なタイミング。最初の質問は決まった。22日正午。侍ジャパンがWBC決勝で米国に勝った瞬間と、取材開始がほぼかぶった。21年の東京五輪で活躍した“元侍”は再招集への意気込みを問うと自身の能力、技術を冷静に分析して返答した。「いやいやいや、そんなことはないです。まだまだ」と常に謙虚な言葉が付く。プロ9年目になるが座右の銘が根底にある。「“素直であれ謙虚であれ”という言葉。これは1年目に福井から福岡に来たとき父から送られてきた(携帯の)LINEです。慢心せず、謙虚な気持ちで、です」。素直に思いを伝えてくる。昨年、左翼守備で中堅手・上林と交錯し左膝を負傷。上林もその後、アキレス腱を断裂した。栗原は復帰した今春、何度も「上林さんと優勝したときに一緒に立ってたいですね」と言う。素直に、うるっとさせてくる男でもある。 (ソフトバンク担当・井上 満夫)

おすすめテーマ

2023年03月31日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム