周東の足もソフトバンクの勢いも止めた阪神・梅野の強肩 直後の勝ち越しお膳立て

2023年06月17日 08:00

野球

周東の足もソフトバンクの勢いも止めた阪神・梅野の強肩 直後の勝ち越しお膳立て
<神・ソ> 6回、周東の二盗を刺す梅野 (撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神4-1ソフトバンク ( 2023年6月16日    甲子園 )】 【畑野理之の談々畑】勝敗の分岐点だったと思う。1―1の6回表、ソフトバンクの攻撃。2死から柳町達が中前打を放つと、藤本博史監督は代走・周東佑京を送った。
 次打者・栗原陵矢の1ボールからの2球目にスタート。阪神・島本浩也の128キロスライダーは低めのボール球だったが、捕手の梅野隆太郎も予測していた。腰を浮かせて半身で捕球し、すばやい二塁送球でアウトにした。

 「いつかどこかで走ってくるのはわかっていましたし、アウトにできてよかった」

 代走「周東」がアナウンスされると甲子園はものすごい盛り上がりをみせた。侍ジャパンにも招集されるトップクラスの足のスペシャリスト。次に起こる梅野の肩との“勝負”を期待したのだろう。間違いなく、この日のクライマックスの一つだった。結果は、ここしかアウトにならない一点に送球した梅野の勝ち。上でも横でも少しでもそれていたらセーフだった。

 試合前の時点で周東は17度の企図で成功率・882(15度の成功、2度の失敗)と高い。文字どおりソフトバンクの切り札だ。ここでも早いカウントでスタートしてきたのはさすがで、アウトかセーフかはその後の展開を大きく変えていたはずだ。6回に打った藤本監督の勝負手が実れば逃げ切られたかもしれないし、仮に栗原を打ち取れたとしても、6回裏の阪神の3得点の流れになったかどうか…。

 盗塁王5度の通算381盗塁の赤星憲広氏は言う。「盗塁は成功すればチームの勢いを加速させるが、失敗すれば急ブレーキをかけてしまう。試合の流れも左右させてしまう」

 ここでソフトバンクの勢いは止まった。4回に追いついていた阪神の流れが、より加速した。6回裏、先頭の中野拓夢が左前打。シェルドン・ノイジーと大山悠輔が倒れて2死となったが、代打の原口文仁が左中間二塁打で勝ち越し。さらに佐藤輝明が右越え2ラン。打った中野、原口、佐藤輝がもちろん主役だが、甲子園に風を吹かせてお膳立てしたのは梅野だったと思う。

 「昨日あんな負け方をしたのでね。今日は勝てて良かった。ビーズリーも、その後の中継ぎ投手も、みんなよく投げてくれた」

 阪神が、強い勝ち方をした。

おすすめテーマ

2023年06月17日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム