過度な意識なしも「楽しかった」 阪神・大竹が古巣斬り 12球団制覇消えるも岩崎をねぎらい

2023年06月18日 05:15

野球

過度な意識なしも「楽しかった」 阪神・大竹が古巣斬り 12球団制覇消えるも岩崎をねぎらい
<神・ソ>4回、柳田を空振り三振にとり、雄叫びをあげる大竹(撮影・岸 良祐)  Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神4-6ソフトバンク ( 2023年6月17日    甲子園 )】 阪神・大竹は無表情を貫いた。目前だった今季7勝目、そして全12球団勝利は無情の逆転劇によって幻に。それでも左腕は落胆の感情をみじんも見せることなく、9回途中に降板する岩崎をベンチ前で出迎えてねぎらった。
 「いい打線だなって。最後もああやって(逆転して)、集中力が凄いなと」

 昨オフに現役ドラフトで阪神に移籍するまで、5年間在籍したソフトバンク相手に躍動した。「古巣のチームメートに公式戦で投げる新鮮さが、小学生の時の試合のような感覚で楽しかった」。序盤3回を完全投球。4回2死から近藤に右中間への二塁打を浴びた後には、柳田を外角のカットボールでこの日2つ目の空振り三振に仕留めて雄叫びを上げた。6回4安打1失点で自責0。7三振を奪った。育成ドラフト出身者では初となる全球団勝利の権利を持って、マウンドを救援陣に託した。

 19年に自己最多の17試合に登板した左腕は、20年~22年の3年間は、1軍で計7試合止まり。現役ドラフトをきっかけに、5月度の月間MVPに輝くなど今や阪神投手陣になくてはならない存在となった。迎えた古巣との対決。「周りが言っているだけ」と過度な意識は封印し、成長を示したい思いを問われても「別にそれを見せようとも思っていないですし、普通にチームが勝つために投げているので。そういう感情はない」と言い切った。阪神の選手として思いは一つ。目の前の1勝を目指すのみだった。

 「ファンの皆さんに、“僕は阪神でも頑張っていますよ”って見せたい気持ちはありましたけど、それぐらい。別に見返してやろうとか、そういう感じも特にないです」

 再び規定投球回に達し、防御率1・13は両リーグトップ。かつての同僚、そして両軍のファンの胸には、進化した姿が確かに刻まれた。 (阪井 日向)

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