“虎の哲学者”近本の理想は「無意識」で打つ 今季狙うはNPB初の新人から6年連続個人タイトル

2024年01月31日 05:15

野球

“虎の哲学者”近本の理想は「無意識」で打つ 今季狙うはNPB初の新人から6年連続個人タイトル
フリー打撃で快音を響かせる阪神・近本(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 阪神・近本光司外野手(29)が6度目の春も「理想」を追い求める姿勢を強調した。2日間の沖縄先乗り自主トレを30日に終え、「いつも通り」と体調面の準備は完了。屋外フリー打撃では30スイングで4本の柵越えを放つなど、安打性の打球連発で巧打健在を示した上で、“虎の哲学者”らしく、さらなる高みを見据えた。
 「理想とする打球を打ちにいくのではなくて、勝手にそういうふう(理想の打球)になるのが一番の理想。(理想の打球を)狙う、とは、また違う。そこが難しいところだな、と」

 ティー打撃では短尺バットを右手、左手と持ち替えてスイングするなど、ミートポイントを確認。1月の鹿児島・沖永良部島での自主トレでも新たなストレッチや練習内容を豊富に取り入れ、ボクシングやヨガなど、野球以外の動きからも多くの刺激を得た。

 新たな試みを「毎年ですよ」とかわしたように、打撃道には最短ルートも正解もないと考える。だから面白い――。宜野座の空に向かって伸びる鮮やかなアーチすら「確認の一つ」に過ぎない。

 あす2月1日に始まるキャンプ。序盤のテーマには「力みがある中でも、理想の動きをすること」を掲げた。日本一翌年で当然、数多くの虎党が詰めかける。視線を一身に浴びながら、どこまでパフォーマンスを「理想」へと近づけられるか。

 「頑張りすぎないことですかね。オフから続けていることをしっかりできるようにしたい。力みも出てくるので、そう簡単にはいかない。それも含めて、どう練習するか」

 約1カ月の沖縄での日々はプロ野球初の「新人から6年連続個人タイトル」への基礎を築く時間でもある。「体には気を付けて、ケガなくやりきりたい」。理想と現実の境目を限りなく消しながら、前人未到の領域へ一歩ずつ近づいていく。(八木 勇磨)

 ○…近本(神)は新人の19年から盗塁王4度、最多安打1度の5年連続個人タイトル獲得。阪神選手の新人からでは01~05年赤星憲広の5年連続盗塁王獲得に並ぶ球団野手記録。今季も個人タイトル獲得で新人から6年連続ならプロ野球初になる。なお過去には58~63年に長嶋茂雄(巨)が新人から6年連続で最多安打、投手では67~73年に江夏豊(神)が奪三振と勝利などで7年連続のトップだったが、当時はそれぞれ安打と奪三振が表彰の対象外だった。

おすすめテーマ

2024年01月31日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム