阪神・湯浅 魔球「真っスライズ」進化 沖縄初ブルペンで捕手・坂本も「えぐい!」と絶賛

2024年01月31日 05:15

野球

阪神・湯浅 魔球「真っスライズ」進化 沖縄初ブルペンで捕手・坂本も「えぐい!」と絶賛
ブルペンで投げ込む阪神・湯浅(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 阪神・湯浅京己投手(24)が30日、武器とする「真っスラ」がホップする「真っスライズ」に手応えを深めた。「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」での沖縄先乗り自主トレは最終日。現地で初めてブルペン入りし、コンビを組んだ坂本誠志郎捕手(30)に「えぐい!」と絶賛された。最優秀中継ぎ投手に輝いた22年への復活にとどまらない進化を期し、あす2月1日に始まる春季キャンプへの準備を終えた。
 湯浅は坂本の言葉で現在地を知った。「それ、めっちゃいい!何?いまの?えぐい!」。ブルペンで25球の投球練習。17、18球目が魔球だった。球種としては直球で、「元々自分の球質」と表現する「真っスラ」。捕手目線では「横に滑る」だけでなく「ホップ」して見えた。試運転の段階でも、復活を十分に印象づけた。

 「まだ全力ではない。タイミングも合って、しっかり下半身も使えた。真っスラの伸びというか、ホップしながら真っスラしていく時は一番いいボール。捕手の感じも聞きながら。投げている感覚と受けている感覚は一致していたのかな」

 2勝43ホールドで最優秀中継ぎ投手に輝いた22年に“セ界”を席巻した最大の武器だ。右前腕筋挫傷などに苦しんだ昨季は独特の軌道が影を潜め、逆にシュート回転して痛打されることも多かった。

 昨年12月と今年1月に2度の渡米。現地では科学的なアプローチで右腕の振りをやや小さくした「ショートアーム型」の新フォームに着手した。2年前に戻すためではなく、さらに上回るためだ。

 「別に一昨年がめちゃくちゃ良かったわけでもない。そこを目指しているわけではないし、比べる必要もない。もっともっと感覚を良くしていければ」

 縦のスライダー、フォーク、カットボールも試投。2日後に迫る春季キャンプ開始へ「全然問題ない」と準備完了を強調した。最初に照準を合わせたのは2月11、12日に予定される紅白戦。新フォームの感覚を実戦的に確かめる格好の機会として見据えた。

 「打者の反応がどうかで、今後のフォームも変わってくると思う。考えながら、感じながらやりたい」

 第4戦での“湯浅の1球”など昨秋の日本シリーズで大きな存在感を示した一方、レギュラーシーズンに限れば6月15日を最後に登板はなかった。まずは層の厚いブルペン陣に食い込み、そして、守護神の座の奪還へ。「自分の中でやりたいことがいろいろある。最初は真っすぐを多めに」。進化の予感に声が弾んだ。(松本 航亮)

 ▽22年の湯浅 プロ4年で初の開幕1軍入り。主に8回を任され、59試合で2勝3敗0セーブ、43ホールドの防御率1.09だった。4月13日中日戦から6月17日DeNA戦までの17試合(16回2/3)と7月2日中日戦から閉幕までの28試合(29回)連続で無失点。鉄壁のセットアッパーとして45ホールドポイントを稼ぎ、自身初タイトルの最優秀中継ぎ投手を獲得した。

 ○…湯浅は22年に全897球中、72.1%にあたる538球が直球で、被打率.171(123打数21安打)。一方23年は265球中、61.2%の165球が直球。被打率.273(33打数9安打)と大きく数字を落とした。直球のストライク率は22年72.1%→23年61.2%、奪空振り率も22年12.1%→23年7.3%と奮わなかった。

 ▼阪神・坂本(湯浅のボールを見て「えぐい」と反応)元々そういう球を投げられる選手だし、去年悔しい思いをして、大きくなれるチャンス。良い結果が出るように寄り添っていきたい。

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