宇治山田商が涙の初戦突破 インフル、体調不良、頭部死球、足つり…離脱者続出を乗り越えた

2024年03月22日 05:00

野球

宇治山田商が涙の初戦突破 インフル、体調不良、頭部死球、足つり…離脱者続出を乗り越えた
<東海大福岡・宇治山田商>勝利し、駆け出す宇治山田商ナイン(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【第96回選抜高校野球大会第4日   宇治山田商5-4東海大福岡 ( 2024年3月21日    甲子園 )】 宇治山田商・村田治樹(はるき)監督は試合後、声を詰まらせた。「本当に選手たちが最後まで粘ってくれた」。08年以来16年ぶりに出場して手にした同年以来の白星は、多くの緊急事態を乗り越えてのものだった。
 背番号14の河合春音がインフルエンザを発症して試合当日に登録選手を変更。「7番・右翼」として先発オーダーを提出した阪口諒真も、体調不良で変更を余儀なくされた。指揮官が「やれることをやるだけだぞ。誰が出てもエラーをしてもいいから自分の力をちゃんと出そう」と声を掛けて試合に入ってからも、アクシデントは止まらなかった。

 3回の攻撃では「3番・三塁」の中川春輝が頭部に死球を受けて交代。6回の守備では、先制打を放っていた郷壱成が左飛を処理した際に両ふくらはぎがつり、ベンチに下がった。村田監督は「なかなか苦しいけど、自分がひるんだらこの子たちもダメになる」と前を向き続け、その姿に選手も応えた。2度同点に追い付かれながらも、6回1死一、三塁から加藤一路が勝ち越しの左前適時打。14選手が出場した総力戦で1点差を守り抜いた。

 5―4の8回からマウンドを託されたのが背番号10の中村帆高だ。「みんなの分も頑張ろう」。いきなり2者連続三振を奪うなど気迫の投球。2回1安打無失点で締めた。

 秋季東海大会準決勝では、終盤に守備が乱れて豊川(愛知)にサヨナラ負け。悔しさを原動力に、冬場に守りを鍛え抜いた。「僕としては成長が見られてうれしかった」と村田監督。一回りたくましくなった宇治山田商ナインが、まだ成し遂げたことのない甲子園での1大会2勝を狙う。 (山手 あかり)

 ▼宇治山田商・加藤一路(6回に決勝の左前適時打)打撃が得意ではない。“打てたらラッキー”と言われていて、その分、楽に打てました。

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