ドジャース・由伸 初回43球5失点KO…メジャーデビュー戦洗礼黒星 日本投手初登板初先発では最短

2024年03月22日 02:30

野球

ドジャース・由伸 初回43球5失点KO…メジャーデビュー戦洗礼黒星 日本投手初登板初先発では最短
<ドジャース・パドレス>初回5失点で降板し、厳しい表情の山本(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【ナ・リーグ   ドジャース11ー15パドレス ( 2024年3月21日    高尺スカイD )】 ドジャースの山本由伸投手(25)が21日、韓国・高尺(コチョク)スカイドームで行われた開幕シリーズ第2戦のパドレス戦に先発し、日本投手の先発でのメジャーデビューでは最短の1回4安打5失点で初黒星を喫した。投手史上最長かつ最高総額となる12年3億2500万ドル(決定時約462億円)で加入したメジャー1年目。重圧のかかるマウンドで制球に苦しみ、43球で屈辱の早期降板となった。
 山本の待望のメジャーデビュー戦は悪夢のような20分間で終わった。初回先頭のボガーツに初球の96・6マイル(約155キロ)を左前打とされた。そこからは常に走者を背負い苦しい投球となり、制球が定まらず。1回4安打5失点KOで初黒星と厳しい結果となった。

 「立ち上がりから制球がうまくできず、セットポジションの投球が乱れた。試合に負けた悔しさは大きいし、責任も感じています」

 2番タティスはスプリットが抜けて死球を与えた。一、二塁からクロネンワースにもスプリットが浮き、右翼線への2点三塁打で先制を許した。その後も失点を重ね、初回だけで43球を要した。2回のマウンドに上がることなく、開幕白星のチームの流れも止めた。

 日本投手の先発デビュー戦での初回限りの降板は、99年7月19日のマーリンズ戦で1回0/3だった大家友和(レッドソックス)を抜いて最短記録に。オリックス時代の最短降板は、高卒1年目だった17年10月9日のロッテ戦の4回だった。日米通じて自己最短KOとなり、1イニング5失点もオリックス時代の7年間では2度しかなかった自己ワーストに並んだ。

 投手史上最高総額となる12年3億2500万ドルで入団。だが、オープン戦は3試合で防御率8・38と振るわず。「オープン戦だと割り切っているし、たくさんのことを確認して開幕へ準備できた」と臨んだが、この日もストライク率は53・5%にとどまった。滑りやすいボール、硬いマウンドとルーキー日本投手に毎回立ちはだかる壁。走者ありの場面は18秒へと2秒短縮されたピッチクロックも意識し過ぎたか、投げ急ぐ場面も目立った。

 左足を高く上げずにすり足で始動する独特の投球フォームは、キャンプから米国でも注目を集めた。プロ野球でも“由伸似”の選手は急増中で、韓国の高校生にも流行中と聞くと「参考にしてもらえるのは凄くうれしい」と喜んだ。ド軍の偉大なOBでトルネード投法で旋風を起こした野茂英雄のように、本場・米国にも新たな衝撃を広める可能性を秘める。

 「今日の試合を振り返り、切り替えて次の試合に向かいたい。シーズンまだ長いですし、これから貢献できるように」。デビュー戦は苦い味となったが、この程度では山本の鋼の心は折れない。(後藤 茂樹)

 ≪これまでは大家の1回0/3が最短≫山本が1回5失点で降板。先発でデビューした日本投手では99年7月19日のレッドソックス・大家がマーリンズ戦で1回0/3、5失点(自責2)で降板したのを抜き最短降板となった。また、5失点はワースト3位タイ。ワーストは昨年4月1日のアスレチックス・藤浪(現メッツ)のエンゼルス戦での2回1/38失点、次いで07年4月7日のヤンキース・井川がオリオールズ戦で5回7失点、山本は97年のエンゼルス・長谷川、前出の大家、12年のレンジャーズ・ダルビッシュ(現パドレス)、15年のインディアンス(現ガーディアンズ)の村田と並んだ。

 ≪ストライク率53.5%≫この日の全43球のうちストライクは23球でストライク率は53.5%。オリックス時代の昨季のストライク率は68.6%で球種別でもスライダー72.1%、カーブ70.9%、スプリット69.9%、ストレート68.8%、カットボール64.9%、ツーシーム59.4%といずれも安定。それ以前も22年が68.9%、21年も67.1%だった。

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