能見篤史氏 阪神・伊藤将は復調へ8割の力感で良いスピンの球を意識 状態が悪い時は力に頼り球が浮きがち

2024年04月11日 05:15

野球

能見篤史氏 阪神・伊藤将は復調へ8割の力感で良いスピンの球を意識 状態が悪い時は力に頼り球が浮きがち
<神・広>2回、菊池に適時二塁打を浴びる伊藤将(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2-6広島 ( 2024年4月10日    甲子園 )】 【能見篤史 視点】安定感が持ち味の伊藤将が2回6失点でマウンドを降りた。許した8安打のうち、6本は変化球を打たれた。変化球の割合が多く、基本である直球が少なかった印象が残った。
 低めは伊藤将も意識していたはず。一方で相手打者も目付けを低くして臨んでくる。ヒットにされるのは、バットに当たる高さだったからだ。2回2死二塁で投手アドゥワの打球が二塁ベースに当たる内野安打になったのも、低めを拾われていることを象徴していた。打ち取ろうとした勝負球がもう一つ、二つ低ければ、ゴロが取れていた可能性はある。

 直球の感覚がもう一つ、という時は私の現役時代にもあった。ブルペンでは全然ダメ、という状態で登板を迎えた。出来が悪いことは受け止め、高さだけに注意して投げた。すると、結果はまさかの完封勝利。自分では感じは良くないと思っていても、打者の感じ方は違うことがある。伊藤将も基本の直球を修正のポイントにしてほしい。

 高さを頑張れば、結果はついてくるはず。修正できる能力もある。状態が悪い時は力に頼って、球が浮きがちになる。8割くらいの力感でバランス良く、良いスピンの球を意識することも必要だ。

 今季の甲子園1号を放った森下は、投手にとって読めない打者。集中力が高いと、ここは大丈夫だろうという球も通じない違う森下になる。それが彼らしさだ。チームは11試合でリーグトップの10本塁打。多いにこしたことはないが、甲子園をホームにして戦う以上、大事なのは一発よりもつなぐ攻撃。投打がかみ合う試合を続けてほしい。(スポニチ本紙評論家)

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