戦力外乗り越え2年ぶり白星 いぶし銀の活躍続けるオリックス・井口がみせる投球テンポの妙

2024年05月20日 18:30

野球

戦力外乗り越え2年ぶり白星 いぶし銀の活躍続けるオリックス・井口がみせる投球テンポの妙
19日の楽天戦で勝利を挙、ウイニングボールを手にポーズを決める井口(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 開幕からブルペン陣の屋台骨として貢献してきた右腕に、しかるべき白星が舞い込んだ。オリックス・井口和朋投手が、19日の楽天戦で自身22年9月10日以来の勝利投手に。「去年ファイターズをクビになってから、まさか1軍でこうやってマウンド立てるとか、ましてやヒーローインタビューできるところにいくとは考えていなかった」と喜びをかみしめた。
 昨年限りで日本ハムを戦力外となり、育成契約でオリックスに入団。開幕前に支配下契約を結んだ右腕は、ここまで10試合の登板で防御率1・32と奮闘している。開幕してからしばらくは先発が早期降板を強いられた際のロングリリーフや、劣勢での出番が主で、試合の流れを作り出すことを意識しながらマウンドに上がっていた。

 「テンポと、ストライクゾーンでどんどん勝負していくことだけは決めてマウンドに向かっている。なるべく守備を少なめの時間で終わらせて攻撃につなげて、少しでもチームの流れを呼び込めたら」

 19日の楽天戦は延長10回から登板し、たった8球で3者凡退に仕留めて裏のサヨナラ勝利を呼び込んだ。「(テンポは)仕事の場所にもよるんで。勝ちパターンだったり1点を守らなきゃいけない場所だったら、もうちょっと大事にいかなければいけないこともある」と、展開や状況に応じた投球術の使い分けは、日本ハム在籍8年間で217試合に登板した経験から培われたものだ。楽天戦では9回に抑えの平野佳が2点差を追いつかれた際に、逆転された場合に備えて準備を進めていた。一度戦力外を味わった男は、まっすぐな目で感謝を口にする。

 「与えてもらったところで仕事をやるしかないですし、こうやってチャンスをもらえていることがすごくありがたいことなので」

 いぶし銀の活躍を続ける背番号58が、今のオリックス救援陣にとって欠かせない存在となっている。
(記者コラム・阪井 日向)

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