ソフトバンク“ギータ2世”の覚醒 名前の由来は豊臣秀吉&徳川家康 笹川吉康が2夜連続のお立ち台

2024年06月16日 05:00

野球

ソフトバンク“ギータ2世”の覚醒 名前の由来は豊臣秀吉&徳川家康 笹川吉康が2夜連続のお立ち台
<ソ・神>5回、プロ1号を放ち、ナインに迎えられるソフトバンク・笹川(右)   (撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【交流戦   ソフトバンク6ー2阪神 ( 2024年6月15日    みずほペイペイD )】 ソフトバンクの高卒4年目の笹川吉康外野手(22)は15日、阪神戦でプロ1号を放った。3点リードの5回無死、柳田悠岐外野手(35)をほうふつとさせる右翼席への豪快弾。14日の同カードで初スタメン初安打初盗塁と活躍した背番号44が、一番、ほしかった“初”を刻んだ。チームは今季最多の貯金23とし、12勝5敗で交流戦首位の楽天に並んだ。きょう16日の最終戦を終え勝敗が並んだ場合はTQB(得失点率差)での決着となる。 【試合結果
 背番号44の豪快スイングに、大きく美しいフォロースルーは本家と見間違うほどだ。“ギータ2世”の呼び声が高い笹川が、プロ7打席目で初アーチ。2試合連続で本拠地のお立ち台に上がった。

 「自分らしく、真っすぐをしっかりはじき返すことができました。フルスイングではなく7、8割の力です」

 3―0の5回無死、ビーズリーのカウント2―1からの高め直球に寝かせたバットを振り上げた。確信ありだ。打球を見ながら、一塁を回ってガッツポーズ。戻ってきていた記念ボールを受け取ると「やー」と叫んだ。

 柳田が入団から14年まで背負った番号を継いだ男が放った打球は飛距離128メートル。さらに驚くのは打球速度176キロ。柳田は3月14日のオープン戦(対楽天)で放った一発が182キロだった。「この体ですし、もっと速度は上げたい」と向上心は持ち続けている。

 規格外の身体能力だ。3歳で木登りの達人となり、幼稚園の年中、年長の先輩を蹴落として話題となった。“伝説”は横浜市内で数知れず。横浜商で通算40本塁打の投手兼外野手に育った。2軍監督時代から指導する小久保監督は「吉康(笹川)の一発は大きかったけど、ポテンシャルに技術も上がってきている。スイングスピードは山川、柳田と同じですからね」と期待は不変。「ずっと(1軍に)置いとかないけど、置いておきたい感じ」とうれしい悲鳴だ。

 3連勝で4カード連続勝ち越し。この日、デーゲームで楽天が敗れ、交流戦も首位に並んだ。19年以来5年ぶり9度目優勝の可能性を保ったまま、最終戦へ。笹川は燃えている。柳田からは「ケガせずに頑張れ」との連絡を受けた。「(柳田は)ケガされているのでそっとしておきますが、打ち続けて1軍に食らいつきます」。横浜の実家に帰省中だった正月に虫垂炎になり、2月は筑後ファーム施設のリハビリ組スタートだった。マイナスから始まった2024年。周囲が驚く急成長を続ける男が、交流戦のラストも白球を飛ばしにかかる。(井上 満夫)

 ◇笹川 吉康(ささがわ・よしやす)2002年(平14)5月31日生まれ、神奈川県出身の22歳。横浜商では甲子園出場なし。3年夏の県大会は投手兼外野手を務め、5回戦で桐光学園に敗れる。高校通算40本塁打。20年ドラフト2位でソフトバンクに入団。昨季は2軍で90試合に出場し、打率・211、4本塁打、29打点。1軍出場はなし。1メートル93、95キロ。左投げ左打ち。名前の由来は豊臣秀吉の「吉」と徳川家康の「康」。

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