【大学スポーツ】「立教スポーツ」編集部
立教大学【対法大1回戦】両軍28安打も決着つかず。今季初勝利は明日に持ち越しへ
2017年04月17日 07:30
野球
2点ビハインドで迎えた最終回。内野ゴロの間に1点を返すも、二死ランナーなし。試合終了まで、あと一人。しかし、この局面で打席に入った山根(営4=浦和学院)はいたって冷静であった。この日はすでに2安打を放っており、打撃は好調。「とにかく後ろのバッターにつなぐことを考えた」。直球を振りぬいた打球は左翼に一歩も追われることなくスタンドへ突き刺さった。まさに起死回生の一発が土壇場のチームを救う。ベンチ総出で山根を迎え入れ同点に追いついた試合は、両軍ともに初勝利をかけた意地のぶつかり合う延長戦へと突入する。
球場の照明もつき、一球ごとに両軍の掛ける声も熱を帯びていく。延長10回。立大のマウンドは、9回から登板していたルーキー・中川(コ1=桐光学園)が続投した。右下手から130キロ台中盤の浮き上がる直球と、スライドしながら沈む変化球で相手打者を翻弄する技巧派右腕。「監督からはピンチになったらいくぞと言われていました。準備はできていました」と、延長戦に入っても変わらぬ投球をみせた。中でも延長12回の投球は、彼の投球を象徴していた。小林(3年=中京大中京)、中山(3年=履正社)らクリーンナップと対峙しても臆することなく直球で勝負するマウンド度胸。ランナーを2塁においても、投手前のゴロに飛び出したランナーを自ら刺す冷静なマウンドさばき。そのすべてが1年生とは思えない圧巻の投球で、法大打線を封じ込めた。結局、中川は12回までの4イニングをわずか45球、無失点に抑えてみせた。
立大の負けがなくなり、迎えた12回裏。打撃も期待されている中川に打席が回るも、ここは三振に倒れ試合終了。スタンドからは、熱戦を戦い抜いた両軍選手に大きな拍手が送られた。
この日、毎イニングの攻撃前に主将・熊谷(コ4=仙台育英)を中心とした円陣が組まれていた。全員で1点をとり、1点を守ろうとする姿勢はスローガンである「戮力同心」を体現している証。この姿勢こそが明日以降の勝ち点、そして18年ぶりの優勝へ必ずやつながるであろう。「個の能力」ではなく、「一体感」を追求した今年のチーム。自然と応援したくなってしまうこと、間違いない。 (4月15日・「立教スポーツ」編集部 川村健裕)