壮絶な打撃戦で永田丈晶が日本フライ級新王者に 昨年急死の父にささげる5戦目での戴冠

2023年04月01日 21:53

格闘技

壮絶な打撃戦で永田丈晶が日本フライ級新王者に 昨年急死の父にささげる5戦目での戴冠
日本フライ級王座を奪取した永田(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【プロボクシング日本フライ級王座決定戦10回戦 ( 2023年4月1日    東京・後楽園ホール )】 日本フライ級7位の永田丈晶(25=協栄)が同級1位の山内涼太(28=角海老宝石)に3―0で判定勝ちし、新王者となった。年間最高試合レベルの壮絶な打撃戦の末、採点はジャッジ3者とも96―94で永田を支持した。永田はデビューから5連勝での王座獲得。元WBOアジア・パシフィック同級王者で、昨年4月に当時のWBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)に挑戦して8回TKO負けした山内は12戦9勝(8KO)3敗となった。
 8日に防衛戦を控えるWBC&WBA統一世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(31=BMB)のスパーリングパートナーを計約50ラウンド務め、寺地に「15ラウンド戦った方がいい」と言わしめた永田のスタミナは本物だった。山内の強烈な右ストレートを何発浴びてもケロリとして打ち返し、休むことなくフルラウンド打ち合ってもサウスポーのファイターの下半身が崩れることはなかった。独特なタイミングからの左ストレート、ボディーを効かせ、後半は山内のミスブローが増えた。プロ5戦目での戴冠に「(決定戦の)チャンスをいただいた時に“こんなに早くできるのか”というのもあった」と打ち明けた。

 熊本工時代の15年に国体少年の部ライトフライ級で優勝。対戦相手には現日本フェザー級2位の松本圭佑(23=大橋)らがいた。中大卒業後は一度ボクシングをやめて求人広告の会社に就職したが、半年後に「もう一度やりたい」と会社に近かった協栄ジムの門を叩いた。競技再開を一番喜んでくれたという父・勝之さんが昨年11月に大動脈瘤破裂のため55歳で急死。「一番近くでいつも見守っててくれた親父に、この姿を見せたかった。リングサイドでめちゃくちゃ応援してくれていたと思う。親父のおかげで王者になれました」と感謝を口にし、「親父のためにもボクシング続けていきたい」と誓った。

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