中谷潤人 王者サンティアゴに6回TKO勝利!日本男子7人目の3階級制覇「凄く光栄で引き締まる思い」

2024年02月24日 20:31

格闘技

中谷潤人 王者サンティアゴに6回TKO勝利!日本男子7人目の3階級制覇「凄く光栄で引き締まる思い」
王座奪取に成功した中谷(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【WBC世界バンタム級タイトルマッチ   王者 アレハンドロ・サンティアゴ《12回戦》同級1位 中谷潤人 ( 2024年2月24日    東京・両国国技館 )】 WBC世界バンタム級1位の中谷潤人(26=M・T)が同級王者アレハンドロ・サンティアゴ(28=メキシコ)を6回TKOで下し日本男子7人目の世界3階級制覇を達成。無敗での達成は井上尚弥(30=大橋)、田中恒成(28=畑中)に続く3人目の快挙となった。
 バンタム転級初戦で王者相手にいきなり白星を挙げて見せた。14センチ低い王者に対して、序盤から右ジャブから左ストレートを顔面に打ち込んだ。しかし2回終了間際にサンティアゴのクロスカウンターを被弾してヒヤリとする場面も。その後はプレッシャーをかけながらも冷静に試合を運んだ。4回終えて、ジャッジ3者はフルマークを付ける40―36の公開採点。

 試合が動いたのは6回。左ストレートでダウンを奪った。立ち上がった相手に連打を浴びせてTKO勝利で3階級制覇を成し遂げた。

 試合後にはWBCバンタム級のベルトを肩に掲げ、笑顔を見せて「この試合に向けて、日本でもロスでも死ぬ思いでやってきたので、サンティアゴ選手に感謝します」と対戦相手に感謝した。

 3階級制覇となったバンタム級は日本人にとっては縁のあるWBCのベルト獲得となった。「WBCのバンタム級のベルトは日本人も多く巻いてきたベルトなので凄く光栄に思うと同時に気が引き締まる思いがあります」と素直な気持ちを吐露した。

 5回までのジャッジペーパーでも3者がフルマークをつける完勝の内容だった。最後に「みなさんバンタム級での将来を期待してもらえますか?」とファンに聞いた上で「皆さんの期待に応えられるような試合をしていくのでこれからも応援をよろしくお願いします」とメッセージを送った。

 スーパーフライ級時代は減量苦と戦ってきたが、階級を上げたことで上限が1・4キロプラス。「過去一番の仕上がり。体重もスムーズに落ちた」と直前まで自身を追い込むことに成功。スパーリングは278ラウンドを数えるなど、過去最高の状態で臨んだ一戦だった。

 会場の両国国技館は思い入れのある地だ。プロ入り前の2013年4月、WBC世界バンタム級タイトルマッチで同級王者・山中慎介(帝拳)がマルコム・ツニャカオ(フィリピン)に12回TKO勝ちし、3度目の防衛を達成した一戦を現地で観戦した。「その場所でまた試合ができる。ロマンがあります」と語っていた中谷。計量前日の22日にはその山中氏から助言をもらったことも明かし「励みになります」とレジェンドが保持していた緑のベルトを同じ会場で手にした。

 「モンスター」の存在も成長を後押しする。昨年12月に史上2人目の2階級4団体王座統一を成し遂げた井上尚弥(30=大橋)との将来的な対戦を熱望する「ネクストモンスター」。だが「全ての技術を整えた上で挑まなければいけない選手。今の自分はまだまだ」と自覚。同じ舞台にたどり着くため、課題の守備面を磨きながら、スパーリングから異なるタイプの選手と手合わせし成長につなげる。

 見据えるのは、その井上が成し遂げたバンタム級の4団体統一。スーパーフライ級時代は統一がかなわなかったことから「勝てるの?と思われるような相手に勝ち続けてボクサーとしての評価を上げたい」とバンタム級で最強の称号を手に入れてみせる。

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