目をそらすな!紫外線対策 日中の外出は要警戒 全身疲労の原因にご自アイください
2024年05月24日 05:00
芸能
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平松先生、紫外線は目にどんな影響があるんでしょうか。
「角膜炎、白内障、翼状片などの恐れがあります。角膜炎は砂浜、スキー場、高山などで長時間紫外線にさらされたときに起きる“雪目”といわれるもの。黒目の部分に傷が付き、かなりの痛みを感じます。白内障は、レンズの役割をしている水晶体が紫外線を受けて徐々に濁り、光をまぶしく感じたり、視野がかすんだりします。赤ちゃんの時は透明だった水晶体が濁っていくのは、卵の白身が熱を加えると白くなるようなものです。翼状片はあまり聞き慣れないかもしれませんが、紫外線などで傷付いた黒目を治そうとして、白目が黒目を覆っていく病気。黒目が半分白目になってしまうこともあります。かゆみ、視力低下、乱視などが起こります」
紫外線はやっぱり目によくないですね。その上、疲労まで引き起こすんですか。
「目に紫外線が当たると、脳に伝わり、脳は“活性酸素を発生させよ”という指令を出します。活性酸素は細胞の機能を低下させるもの。細胞がエネルギーをつくり出せなくなることから、疲労につながるわけです」
紫外線疲労を起こさないためには、どうすればいいですか。
「まずは紫外線を浴びないために、日の高い時間帯に外出しないことが望ましいです。外出するなら、つばのある帽子をかぶってください。サングラスは大事。顔の半分ぐらいを覆う大きなレンズが理想です。ここで注意していただきたいのが、サングラスはレンズの濃さではなく、レンズの紫外線カット率が重要ということ。紫外線は不可視光線で目に見えません。紫外線カット率が高いレンズならば、透明でも問題ありません。サングラスではなく、眼鏡でも効果があります」
サングラスは濃ければ濃いほどいいと思ってました。
目に紫外線を浴びた後のケアはどうすればいいですか。
「まず食べ物でダメージ回復。活性酸素という酸化物質でダメージを受けるので、ルテイン、ビタミンC、ポリフェノール、アスタキサンチンなど抗酸化物質を取ってください。ルテインならホウレンソウ、ケール、ゴーヤーなどが豊富です。アスタキサンチンはシャケ、エビ、カニなど赤い海産物に多く含まれています」
目が日焼けした、と考えるなら、冷やすのはどうでしょう。
「傷ついた角膜を癒やすために冷やすのも手です。あとは、涙を出すことです。涙はムチンというネバネバとした成分を含んでいます。ムチンは角膜への栄養補給の働きをして、表面の傷を治す助けとなります。涙は“天然の目薬”なのです」
涙を出すのって、なかなか難しいと思うんですが。
「意識的にまばたきをしてみてください。人間は通常、1分間に20回くらいまばたきをします。それが、スマホやパソコンの画面を見ている時は7、8回になってしまいます。外で目に紫外線を浴びて、帰宅後はスマホにパソコン。これでは、紫外線疲労の回復が遅れます」
市販の目薬はどうですか。
「“人工涙液”“涙液の補助”などの表記がある目薬は効果が期待できます。気を付けていただきたいことが一つ。“充血止め”の目薬は避けてください。目は傷を治そうとして充血しているので、それを止めることになるからです」
目が疲れたな、と思うことはあります。でも、目から全身の疲労につながることがあるとは。今度眼鏡を新調する時は、限りなく100%に近い紫外線カットのレンズにしたいと思います。これからの季節、紫外線は強くなっていく一方。“疲れは目から”と肝に銘じておきましょう。
◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。